明きょ水位の調節がほ場みかけの地下水位に及ぼす影響.pdfVIP

164 明きょ水位の調節がほ場みかけの 地下水位に及ぼす影響 佐々木賊・黒沢順千・高野文夫・米沢　確・佐々木信夫 清原悦郎・千葉満男・平野　腐・伊藤吉郎 （岩手県集試県南分場ヂ県北分臥＊海農指導課） 1　ま　え　が　き ■■lいI 岩手県南沖積水田地帯の水稲収量の停滞現象は，豊 r柑■　5．19　6．4　9　　22　23　　7．911　21　318．24 熟期間の気象条件の不良，土壌条件の難浸透水性，排 水不良による高地下水等に起因するものと想定されて いる。その対策として用排水施設の改善，明きェによ るは場みかけの地下水位の調節等基盤整備による板の 生活環境の良化によって水稲の生産性を高めるととも に，水田利用の高度化をねらいとして昭和44年度よ り県南分場において水田利用の近代化に関する試験研 究が国の助成のもとに実施されている。その試験結果 の中から，明き1の機能調査に関連して入られた諸現 象から傾向性が認められた2・～5の点を報告する。 第1回　漕漑期間の地下水位の推移 2　測　定　方　法 の地下水位の推移をみると，浦がい最盛期は一般的に 1　調査区の構成 地下水位が上昇し田面下10mのところを上下してお り1明き上整備は場の大きさ A区：約°　d a（71〝Ⅰ×8　4桝） り，落水期になって低下を丸せる。ほ場みかけの地下 B区：約94a（112〝王×84肌） 水位は，明き上水位の調節によって動き，一般に明き C区：約7　7a（112m×占‘肌） ェ水位より高めに推移する。以上，明き上水位の調節 D区：約50　a（48m×d d　〝り によっては場みかけの地下水位は容易に制御できるこ （2）測定場所 ○ほ場みかけの地下水位：整備は場59箇所（長辺 とが認められる。 10m間隔，短辺約20，花間隔） 2　明き上水位とは場地下水位の相互関連性 0明き上水位：明きェ内7箇所 HI　明き上水位の上昇過程 ○対照区水位：高地下水田（旧田）2簡所 第2回はみかけの地下水の運動過程を模式化したも 2　測定方法 伸・測水管の大きさ （イ）水位の上昇過程 塩化ビニールパイプ，径75（湖，長さ27花 （2）埋設法 ▲′かんがい晰 オーガーで深さ150仰の穴を掘り，ビニール′くイブ の末端50（問に小孔をあけサランを二重巻きして穴に 挿入し，周囲に小砂利でフィルターしその上50（湖を 粘土で固め覆土した。 （3）水位の測定 管内にスタイルホーム製の浮子にビニール製測尺を接 着させ，浮力，移動を利用して測定した。 5　明きょの構造 上幅約5■別，深さ1．5〝i，底幅約1椚 5　測　定　結　果 1　ムかけの地下水位の推移 溝がい期間の水田の，みかけの地下水位をみたのが 第1図である。高地下水田（対照区）におけるみかけ 第2図　九かけの地下水位の動き（模式図） 東北農業研究　第14号（1975）　　　　　　　　　165 のである。明き上水位の上昇は渚がい用水