球面SOMを用いた道路標識認識に関する研究.pdfVIP

平成 20 年度 修 士 論 文 要 旨 教育研究分野 情報数理学 6319002 解 飛 球面 SOM を用いた道路標識認識に関する研究 1 はじめに カラー画像入力 車載カメラより道路情景画像を取得し，それら より運転者へ道路情報を伝える研究が活発に行わ 領域絞込み れている．中でも道路画像から交通標識の部分を 抽出し，それを識別する研究が注目されている[1]． 形状特徴量 その中で自己組織化マップ(SOM)を用いた標識識 テクスチャ特徴量の算出 別が特に有効であることが示されている[2]．この 球面 SOM による標識の分類 SOM は多次元データを2 次元上にマッピングする 手法である．このSOM に関しては高い識別能力を 有してはいるものの，マップの端部において正確 図 1. 道路標識認識の流れ な距離を反映していないという問題があった．こ 3.1 形状特徴量 れに対し近年，マップを 3 次元の球に写像し，こ の問題を解決した球面 SOM が提案されている[3]． 本論文では従来の2 次元SOM による標識分類に対 して，球面 SOM を用いた道路標識認識手法を提案 する． 2 球面 SOM 図 2 フーリエ記述子の概念図 球面 SOM は従来のSOM の出力ノードを2 次元 本論文では，フーリエ記述子を形状特徴量とし 平面上に並べたものでなく，球面上に並べたもの て用いる．ここで扱うフーリエ記述子は，図 2 に であり，SOM の問題点である，端が存在しない構 示すように，ある領域の基準点 (x c , y c ) に対し周 造となっている．これにより，ノードの位置によ 囲長 T の座標点列 (x (t), y (t))(t 0,⋅⋅⋅, T −1) ま る隣接関係のばらつきは無くなり，各ノード間の での距離d (t) を実数部，基準点に対する内角の角 関係を公平な立場で評価可能となる．また，平面 度変化量θ(t) を虚数部にもつz (t) を式 （1），（2）， よりも歪みの出にくい球面を使った可視化と，分 （3）によって表したものである． 類木を用いた分析も可能である． z (t) d (t) +j θ(t) （1） 3 球面 SOM を用いた道路標識の認識 d (t) (x (t) −x c ) 2 +(y (t) −y c ) 2 （2） 提案手法の概略を図 1 に示す．まず，円形や菱 形などの道路標識画像から標識領域を抽出し，次 ⎛y t ⎞ ⎛y (t 1) ⎞ θ t −1 ⎜ ( ) ⎟ tan −1 ⎜ − ⎟ （3） にその抽出画像の特徴を抽出する．ここで用いる