「野生動物侵入防護柵に関する研究」「野生動物の圃場侵入に.pdfVIP

ぐんまの自然の「いま」を伝える報告会2012 2013年2月9日　於：群馬県立自然史博物館 「野生動物侵入防護柵に関する研究」 「野生動物の圃場侵入に関する研究」 「イノシシの侵入防護に関する研究」 群馬県立利根実業高等学校生物生産科生物資源コース ２年 阿部慎也 他４名 １ はじめに 群馬県全体の被害は 600 ｈａを超え、被害金額は５億円と増加しています。利根・ 沼田地区では 100 ｈａ、６千万円の被害があります。 ２ 研究目的 私達、農業の担い手が、野生動物被害対策を圃場で実践できること。そして、研 究成果を活かし、地域のリーダーとして活躍することを目的としています。 ３ 研究と実践 ① 利根実業５層式侵入防護柵（平成 22 年度～） 赤城農場（昭和村川額）のソバ畑がシカの食害をうけ、対策として「５層式侵入 防護柵」を考案し設置しました。 １層目：防獣ネット ２層目：寒冷斜 ３層目 ：電気柵 ４層目 ：鷹の爪定植 ５層目：単管 成果として、被害が無くなりました。しかし、「どの層が、どのような効果があ り侵入を防止できたのか、科学的な分析が難しい。」等の評価をいただきました。 ② 回転まぶし式侵入防護柵（平成 24 年５月～） 養蚕で廃材となっている「回転まぶし」を利用 した侵入防護柵を考案し、赤城農場に設営しまし た。未然に、シカ・イノシシの侵入を防げました。 日本獣医生命科学大学の加藤先生から、「シン プルで、科学的分析が可能である。侵入を防止で きたのは、『立体的で、動く、形が変わることによ り、動物が慣れにくい』からではないだろうか。」 回転まぶし式侵入防護柵 との評価をいただきました。 ③ 簡易防護柵の設営実験・電気柵の検証（平成 24 年 10 月～） 演習林 （昭和村赤城原）に隣接する採草地で、 簡易防護柵の有効性と電気柵の効果について調査 しています。簡易防護柵は、２ヶ月間効果があり ました。 電気柵は、動物に「慣れ」が生じ、「危険」を 認識しなくなると効果が無いこと。メンテナンス が重要であること。「設置したから大丈夫」ではな 簡 易 式 侵 入 防 護 柵 く、「常に防護方法を考える姿勢」が大事であるこ とが分かりました。 69 ぐんまの自然の「いま」を伝える報告会2012 2013年2月9日　於：群馬県立自然史博物館 ④ イノシシの生態把握と対策技術の向上（平成 24 年 11 月～） 演習林で、イノシシの防護方法を研究していま す。忌避剤を作り、「軍手に浸みこませたら効果が あるのではないか」と考え、軍手式防護柵を設置 しました。 忌避剤は、「鷹の爪（カプサイシン）」と「蒟蒻 芋」を利用した２種類を準備しました。「軍手柵が あるからイノシシが来ない」可能性があるため、 軍手式侵入防護柵 侵入があってから散布することにしました。 現在、２か月が経過しましたが、軍手柵内へのイノシシの侵入はありません。途 中結果として、警戒心が強い動物は、人工物を嫌うことが分かりました。侵入後は、 忌避剤散布を行う予定です。 ４ 野