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東工大・機械物理工学専攻・高橋研 研究紹介（http://www.mech.titech.ac.jp/~t-souzou/） 2009/03 潤滑膜内における冷媒溶解濃度変化の研究 ◆ 研究背景 空調機器に使用される冷媒圧縮機の摺動部 は、強い荷重がかかることから厳しい潤滑状態 になっている。このため、冷媒圧縮機の摺動部 において、潤滑油が不足すれば焼きつきが発生 し、逆に潤滑油が過多ならば圧縮機の効率が減 少する。冷媒圧縮機の摺動部における潤滑状態 を正確に把握することは、冷媒圧縮機の適切な 設計を行う上で重要である。 冷媒圧縮機内の摺動部は、冷媒が溶解して粘 度、および粘度-圧力係数の低下した潤滑油に よって潤滑されている。よって、冷媒雰囲気中 で潤滑された摺動部の場合、その潤滑特性は潤 滑膜内の冷媒溶解濃度によって大きく変化す る。従って、潤滑膜内の冷媒溶解濃度を把握し、 潤滑特性を明らかにすることは、冷媒圧縮機の 性能や信頼性を左右する摺動部の潤滑特性を 評価する上で大変重要である。 そのため本研究では冷媒圧縮機の摺動部での冷媒溶解濃度変化の分析を行い 摺動部の潤滑状態を正確に把握する事を目的としている。 東工大・機械物理工学専攻・高橋研 研究紹介（http://www.mech.titech.ac.jp/~t-souzou/） ◆ 研究方法、結果 冷媒圧縮機の摺動部を模擬した実験装置を用いて実験を行った。実験装置は図２のよう な構成になっており、ディスクを回転する鋼球に押し当てることにより摺動部が模擬され ている。その様子を顕微FTIR で観測する。測定は接触点を0m として、すべり方向に対 して平行に100m ごとに行っている。（図３） ヘルツ接触領域ヘルツ接触領域 拡大 潤滑油潤滑油 測定領域測定領域 100100 ××100100mm 出口出口 入り口入り口 中心中心 200200mm --700700mm 00mm 図２ 摺動部模擬装置 図３ 測定地点 その結果、摺動部ではバルク溶解濃度（圧力、温度から求まる冷媒溶解濃度）から変化 をしていることがわかった。接触点に近付くに従って冷媒溶解濃度が減少していく現象が 見られた。（図４） 16 14 12 バルク溶解濃度 % s 10 s a m 8 , 度 6 濃 4 すべり方向 2 0 -800 -700 -600 -500 -400 -300 -200 -100 0