津波細密評価に関する研究～浅水理論解析と3次元解析による連結津波.pdfVIP

10. 津波細密評価に関する研究 ～浅水理論解析と3 次元流体解析による連結津波シミュレーション～ 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部 藤原了 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部 唐木田泰久 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部 是永眞理子 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部 佐藤暁拓 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部 田向剛 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部 金伝栄 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部 臼井嘉哉 1. はじめに 2011 年東北地方太平洋沖地震以降 3. 海洋津波伝播解析 （3.11 地震）、巨大津波に対する防災対 海洋津波伝播解析は、浅水長波理論に 策（インフラ施設設計及び候補地選定、 基づく有限差分法により行う[1]。次に、 津波災害避難経路策定など）を進める上 津波解析から3 次元流体解析へ向けて局 で、津波シミュレーション技術の重要性 所スケール解析領域設定 （福島県相馬港 は増している一方で、陸域構物に対す 周辺）を行い、水位及び流等の物理量 る津波遡上破壊力を含む現象に対する津 を受け渡す（図1(c)）。 波解析の精度が、十分ではなかった点が 津波伝播解析 指摘され始めている。本研究では、津波 解析の精度を向上させ、各重要インフラ 津波波源設定 施設の防護設計に資することを目的とし て、海洋津波解析と3 次元流体解析によ る連結津波シミュレーション[1]につい て紹介する。 (a) (b) 津波伝播 2. 連結津波シミュレーションの概要 連結津波シミュレーションでは、津波 現象に内在する様々な階層スケール性を 考慮し、各物理スケールに対してそれぞ れ効率的な複数の計算スキームを連結さ せた計算手法である （表1）。 表1 津波現象の階層スケール性 局所スケール解析領域設定 対象物 スケール 解析 地震断層帯 ～100km 広域・非線形長波解析 1200～5m メッシュ 海域水深 ＜5km 海洋津波伝播の評価計算負荷 (c) （軽） 局所・3 次元流体解析 内陸部 ～1m メッシュ 図１ (a)海洋津波解析領域