Title閉塞性黄疸時の腸管吻合法の実験的研究URL.pdfVIP

Title閉塞性黄疸時の腸管吻合法の実験的研究 Author(s)遠藤,　久人 Journal東京女子医科大学雑誌, 49(8):829-830, 1979 URL /10470/3892 http://ir.twmu.ac.jp/dspace/ 57 （27） 氏名（生年月日） 遠藤久人（昭和 ピサ ト 本 籍 学位の種類 医学博士 学位授与の番号 乙第338号 学位授与の日付 昭和53年12月15日 学位授与の要件 r学位規則第5条第2項該当（博士の学位論文提出者） 学位論文題目 閉塞性黄疸時の腸管吻合法の実験的研究 論文審査委員 （主査）教授 織畑 秀夫 （副査）教授 今井 三喜，教授 福山 幸夫 論 文 内 容 の 要 旨 研究目的 値の変動は，総胆管結紮後8週まで認められなかった． 腸管吻合法の研究は，数多くあるが，黄疸の腸管吻合 c）肝機能は，早期より著明に障害され，組織像では， 部への影響を検討した報告はない．閉塞性黄疸の生体へ 細胆管の拡張，増生が著明であったが，肝細胞の変性， の影響を考察すると共に，腸管吻合部への黄疸の影響を 壊死は少なかった． 実験的に検討する． 1 d）腎機能障害は認められなかった． 実験方法 e）十二指腸にはびらんがほとんどあり，また，2頭 （1）雑種成犬12頭を用い，総胆管ご重結紮切断を行 に潰瘍を認めた． い，閉塞性黄疸を作り，その生体への影響を，経過観 （∬）腸管吻合部への閉塞性黄疸の影響 察，検査所見，病理組織所見より検討した． （1）黄疸群では，対照群よりも吻合部に循環障害が強 （豆）雑種成犬99頭を用い，対照犬，閉塞性黄疸犬の空 くみられ，一層縫合では吻合後3日目に，二層縫合で 腸に吻合部を作成し，一層縫合（Gambee法），二層縫合 は，吻合後7日目に著明であった． （AIbert↓embert法）への閉塞性黄疸の影響を検討し （2）手術死亡（術後7日まで）は，対照群より黄疸群に た． 多くみられ，死因としては，術後出血が多く，これら （皿）皿の実験犬において，閉塞性黄疸下の一層縫合と は，すべて黄疸群であった． 二層縫合について比較検討した． （皿）閉塞性黄疸下の吻合法の比較 実験結果 （1）黄疸群は，対照群と同様に，一層縫合は二層縫合 （1）閉塞性黄疸の生体への影響 より，大網の癒着が強く，吻合部の狭窄は軽度であっ （1）総胆管二重結紮切断による閉塞疸犬は5週以内に た， 6頭（50％）死亡した．その内，胆汁性腹膜炎を伴った （2）黄疸群では，対照群と同様に，吻合部の病理組織 ものは2頭であった． 像，微細血管構築像，耐圧性，および，抗張力性におい （2）総胆管二重結紮切断犬について，次の結果を得 て一層縫合は，二層縫合より優れていた． た．