母子世帯の階層性資源の制約と利用の視点から.pdfVIP

Title母子世帯の階層性 : 資源の制約と利用の視点から Author(s)岩田, 美香 Citation 5-21 Issue Date2004-02 Doc URL /2115/28368 Right Type bulletin Additional Information Instructions for use [ JO叩urnηrna凶山泊叫1a叫10ぱfお出肱悩仇dliu叫 … 教育福祉研究第叩10-(1)号 却2O∞O凶 4 母子世帯の階層性~資源の制約と利用の視点から 岩田美香 体の性格が少しずつ「見えつつ」ある。しかしこ はじめに こでは、冒頭にあげたような現場にいるソーシャ 先日、母子生活支援施設でソーシャル・ワーカー ルワーカーたちの一助となるためにも、具体的な をしている私の教え子と、 3年ぶりに会う機会が 事例を比較検討することで、母子世帯における賠 あり、母親への援助についての話しをした。彼女 層差を描いていきたい。また、さらに一歩踏み込 は「援助の届かない(援助のしがいのない)J母 んで、「自立支援Jや「自立援助」といったソー 親に対しては、母親たちの自由さを増したり甘や シャjレワークを展開していくうえでの課題をも考 かしたりするのではなく、厳しくしていかなけれ 察していくこととする。 ばならないのではないか……という思いを私に伝 えてきた。私は、彼女の現場での忙しさや難しさ 母子世帯は、厚生労働省が5年に一度行う調査 を知りつつも、犠牲者に賞任を転嫁する (全国母子世帯等調査)によると、平成10年 11 (BlamingtheVictim) とL、う姿勢にショック 丹現在で95万4900世帯と推計され、 5年前に行っ を受けた。というのも、彼女は学生時代には、弱 た調査と比較しでも 20.9%増加している(表 1。) 者に対する共感を抱くことができるだけの豊かな こうした現状を背景に平成14年には児童扶養手 想像力をもち、社会に対する正義感も強い学生だっ 当の所得制眼の見直し(事実上の引き締め)や、 たからである。そうした不安を抱きつつも、彼女 母子及び寡婦揺祉法の一部が改正された。そこで は日々の実践の中では、母子に対して精一杯の蜜 は母親の「自立Jが強調され、子育て支援や養育 助をしていることと思う。しかし、学生時代に全 体として理解していた貧圏問題が、自分が援助し 表 1 母子世帯に関する調査の年次比較 ている自の前の母親たちの様々な側面で生じてい l納 5昨(B3)I63(88)I る「護国」としては、見えにくくなってきている のである。 本小論は、「家族j という資掠が、母子世帯の 調査の時期 158.8.1 163.11.1 様々な局面で制約を与えているだけではなく、彼 調査員|肝棺談員等|閉鎖等肝臓鰐l 女たちが「自立jへ向けて動き出すという局面に 全世相)136却7叫90別叫826叫 4496000 おいても、一定の階層差として不平等をもたらし