イノベーション欠損（InnovationDeficit）という考えに基づ…：创新缺损（InnovationDeficit）的想法基づ….pdfVIP

イノベーション欠損（Innovation Deficit）という考えに基づく支援の要望 （遠藤悟、米国の科学政策HP 2013 年9 月23 日掲載） 米国大学協会（Association of American Universities: AAU）および米国公立・ランドグラント大学協 会（Association of Public and Land-grant Universities: APLU）の会長とそれぞれの会員大学の学長は、 2013 年7 月31 日にオバマ大統領および連邦議会議員に宛てて「イノベーション欠損の縮小（Close the Innovation Deficit）」の表題の書簡を送付した。この書簡は、AAU およびAPLU の会長の他、165 の大 学の学長が署名している （その後追加の署名者あり）。 本書簡は、連邦政府議会において2014 年度歳出予算の上限および各歳出予算法案について審議が行わ れるこの時期に、大統領および議会に書簡を送付することにより、支援の拡大を求めることを目的とし たものと言えるが、特徴的な点は、イノベーション欠損（Innovation Deficit）という表現を用いたこと と言える。イノベーションのために必要な投資額と現実の投資額の差を欠損（deficit）として、大統領お よび議会が財政赤字（deficit）の問題を解決する取り組みを行っている中で、例外的に資金配分を拡大さ せることを求める内容となっている。 イノベーションのために連邦政府投資の拡大が必要であることの説明においては、米国における連邦 政府研究開発支出の歴史的推移や他国（特に中国をはじめとするアジア諸国）との比較などのデータに 加え、第二次世界大戦後の経済成長の半分以上は技術的イノベーションに起因するものであるという、 これまでも多く用いられてきた論拠が示されている。（本書簡に示されたデータの多くは、NSF の科学工 学指標やOECD の統計等に示されたものであり、特に新しいものはない。なお、米国のイノベーション タスクフォースにより作成された「米国の例外論、米国の衰退？研究、知識経済、そして21 世紀のチャ レンジ（American Exceptionalism, American Decline ? Research, the Knowledge Economy, and the 21st Century Challenge）」報告書に示されたデータも使用されている）。 本書簡については、いくつかのメディアで報道されているが、本ホームページ筆者が検索した限りで は大統領府、議会ともに特段の反応は示していない。しかしながら、半導体工業会（Semiconductor Industry Association: SIA）をはじめとする14 のハイテク企業・団体が、2013 年9 月19 日付けでこの 「イノベーション欠損の縮小」を支持する書簡をオバマ大統領および連邦議会議員に送付している。 以下においては、１．「イノベーション欠損の縮小」の書簡、２．「イノベーション欠損の縮小」ホー ムページに掲載されたファクトシートの項目、３．14 のハイテク企業・団体の書簡、について掲載した。 １．「イノベーション欠損の縮小」の書簡 以下は、「イノベーション欠損の縮小」の書簡の記載の概略である。 ・米国の世界のイノベーションのリーダーの役割は危機的な状況にある。研究と高等教育における連邦 政府投資の減少と予算執行の自動削減、そして他国における研究や高等教育に対する大量の資源の投入 は、米国に「イノベーション欠損（innovation deficit）」をもたらしている。このイノベーションに対す る現実の投資と必要な投資の間のギャップを埋めることが国家的課題である。 ・イノベーション欠損を放置することは、労働力における経験や技能の低下、科学的・技術的ブレーク スルーの減少、米国により取得される特許の減少、米国のスタートアップ企業・製品・雇用の減少とい った深刻な状況を生む。従って現状は転換されなければならない。 本書のURL ：/bicycletour/sci-ron-innovation_deficit.pdf 1 ・2013 年秋の歳出決定、債務限度、潜在的な長期間の予算についての合意は不明確である。米国の財政 政策においては、国家の経済と安全保障を支える研究や学生支援に