『機動戦士ガンダム』シリーズ作品についての思想.pdfVIP

要 旨 要 旨 『機動戦士ガンダム』シリーズ作品は日本 SF アニメの代表的な作品である。その シリーズの作品は思想性と娯楽性を併せ持って、三十年間続いて、世界の人気ブーム を起こし、成功を収めている。ガンダム作品は産業上でも文化上でもともに成功を収 めたと言っていい。産業が国家の政策に左右されているので、その成功は一国の領域 に限られた傾向があるのに対して、文化は人類の共用的な財産であるので、国を超え て、世界に伝えることができる。しかし、作品の成功原因について、産業論の視点か ら研究する論文は多いが、文化の面から分析する論文は空白の状態にある。本稿はガ ンダム作品の文化上の成功原因を探求するために、アメリカの学者サミエル.P.フン チントン(Samuel.P·Huntington)の文明の衝突の理論、マルクス主義の唯物史観と環 境倫理の理論を用いて、文化テキストの方法を取り、思想的面からガンダム作品を解 読してみた。具体的にいえば、本稿はガンダム作品の歩みから始め、作品の反映して いる三つの思想――文明の衝突、反エリート主義と新環境倫理思想を中心に、各時期 の作品の内容や人物の分析を通して、それらの思想がいかに作品の成功を促したかと いう問題を研究し、国家の政策に左右される経済的領域から抜け出し、ガンダム作品 の真の成功原因――文化的原因を解明した。これを掲示することによって、ガンダム 作品の文化上の価値を解明し、ガンダム作品の研究に新しい視点を提供できるだけで なく、我が国のアニメにも有益な示唆を提供できるのではないかと思う。 キーワード ：ガンダム作品 文明の衝突 反エリート主義 環境倫理 SFアニメ I Abstract Abstract The serials of Mobile suit Gundam are the typical works of Japanese Sci-fi animation. Because it is rich in concepts and entertainment, this serials is popular and successful all over the world, which lasts for 30 years. It can be said that Gundam works are both successful in industry and culture. Industry is restricted by national policies, which means the success in industry is limited to one country while culture can be passed to the world as human’s common fortunes. But most researches about the success of Gundam works are from the vision of cultural industry. There are few researches started from cultural aspect. So in order to find the reasons of Gundam works’ success in cultural aspect, this essay explains the works from theoretical vision making use of the theories which are conflicts of civilization of American thinker Samuel.P.Huntington, materialistic hi