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PETを含むポリエステルフィルム・ 繊維の加水分解能を有するクチ ナーゼ 京都工芸繊維大学繊維科学センター 特任教授 河合 富佐子 1 クチナーゼとは？ • 水溶性エステルから脂肪、ポリエステル、ワックスまでの幅広 い物質分解能を有する • 用途：化学反応触媒 洗剤工業、クリーニング工業 食品及びバイオマス加工:polyphenol等の有効成分 抽出、乳製品のフレーバー強化 環境汚染物質の除去：Phthalate esters, aflatoxin等 繊維加工：木綿、ポリエステル、羊毛 1. Bornscheuer, U. FEMS Microbiol. Rev., 26: 73-81 (2002) 2. Pio, TF and Macedo, GA. Adv. Appl. Microbiol., 66: 77-95 (2009) 3. Nyyssoelae, A. Appl. Microbiol. Biotechnol. 99: 4931-42 (2015) 2 従来技術とその問題点 既にクチナーゼ類は実用化されているが、ポリエス テル分解能を示すものは限定される。 脂肪族、芳香族脂肪族、芳香族ポリエステル全てを 分解するものは報告されていない。 特に、PET分解能を有するものは皆無である。 （65℃以上で長時間の活性保持が不可欠。） 3 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来技術の問題点であった、芳香族ポリエステル分 解能力を実現することに成功した。 • 従来は脂肪族及び脂肪族芳香族ポリエステルフィル ムへの使用に限られていたが、PETフィルムや繊維 へ利用することが可能となった。 • 本技術の適用により、PETフィルム処理及び繊維加 工ができるため、容器ごとの食品残渣処理、包装廃 棄物処理などが可能になり、ポリエステル繊維の高 機能化が期待される。 • 耐熱性酵素である。 4 クチナーゼ（Cut190）の特性 • 至適pH、6-8 ；至適温度、65-75°C • 安定性：pH 6-8, 50-65°C(数日間) • 大腸菌での発現が容易で、大量培養が可能。勘便な精製 • ポリエステル分解性: 1)脂肪族、2)脂肪族芳香族、3)芳香族 1) PBSA, PBS, PCL, PLA;2) Ecoflex;3) Apexa, PET PET フィルムの分解、親水化、機能化 ポリエステル繊維の表面加工による親水化、吸水性向上、機能化 (未公表データに関しては配布資料に未掲載。詳細は当日発表。） 5 ポリエステルフィルムの分解 6 親水化と凹凸化 フィルム及び繊維加工 7 想定され