第4回胃薬～PPI.docVIP

　くすりのなまえ　 第４回　胃薬 ～PPI（プロトンポンプインヒビター）～ 　　胃薬は、大きく分けると次の3種類があります。 「胃酸の分泌を抑える薬」「胃酸から胃を守る薬」「胃の働きを整える薬」 今回は胃酸の分泌を抑える薬の代表格である、プロトンポンプインヒビター（PPI）についてです。 　胃酸の分泌を模式的に表したのが下の図です。 タケプロン：タケダ製薬のプロトンポンプインヒビター パリエット：壁細胞の英名“Pariental cells”の一部より オメプラール：一般名である“omeprazole（オメプラゾール）”より プロトンポンプは、胃酸分泌の最終段階を担っています。なので、他の胃酸を抑える薬に比べて強力に胃酸を抑えることができます。 プロトンポンプインヒビターは胃酸に弱いことが知られています。そのため、「パリエット」と「オメプラール」の錠剤には、腸で溶けるような加工が施されています。「パリエット」や「オメプラール」を潰したり、噛んでコーティングを壊してしまうと効きが悪くなってしまうから、注意が必要です。その点「タケプロンOD」は、胃の中でも安定になるような加工を施しているので、OD錠（口の中で溶ける加工）が可能になったのですね。 他に胃酸を抑える薬は、ヒスタミンを抑える「ガスポート」と「ラニザック」、アセチルコリンを抑える「ブスコパン」があります。ヒスタミンを抑える薬はH2ブロッカーと呼ばれており、最近はドラッグストアでも売られるようになりCMでも名前をよく耳にしますね。 次回は残りの二つ、胃酸から胃を守る薬と胃の働きを整える薬についてです。 薬剤師　樋口 昇大　 コーヒーブレイク 胃酸は胃に存在する、壁細胞という場所からアセチルコリン、ガストリン、ヒスタミンの刺激により、プロトンポンプを通って胃の中へと放出されます。このプロトンポンプを阻害する（inhibit：インヒビット）のがプロトンポンプインヒビターです。 それでは、胃酸の分泌機構を踏まえたうえで当院採用のプロトンポンプインヒビターの名前の由来を見ていきましょう。