磁気异方性.ppt

強磁性体の磁気異方性について 2009.11.16　山本 佑樹 はじめに 一般に，自発磁化をもつ固体を強磁性体と呼ぶ． 強磁性体は，その環境(温度，圧力，組成，…)に依存して様々な性質を示すことが知られている． 磁気相転移，構造相転移 磁気異方性 反強磁性配列によるスピン依存散乱 （Co/Cu/…/Co/Cu/Co） 磁歪 例として これらの性質の理解は，エレクトロニクスの更なる発展につながる 磁気異方性とは 結晶磁気異方性 (Magnetocrystalline Anisotropy) 磁性体には，磁化が向き易い方向（磁化容易軸）と向き難い方向（磁化困難軸）がある． 結晶構造とその結晶学的方向により磁化のしやすさに差が生じる性質． e.g. e-Coはc軸が磁化容易軸 磁性体形状によって磁化しやすい方向が現れる性質． 形状異方性 (Shape Anisotropy) 弾性磁気異方性 (Magnetoelastic Anisotropy) 表面磁気異方性 (Surface Magnetic Anisotropy) 結晶磁気異方性 fcc (A1) 111 bcc (A2) 100 hcp (A3) c-axis Easy axis Hard axis 100 111 c-plane Specimen Ni a-Fe e-Co fcc (A1) bcc (A2) hcp (A3) 代表的な結晶構造 結晶磁気異方性の表現 異方性エネルギー(EA)を方向余弦(ai= cosq i)で展開して表現 なので高次の項は異方性への寄与が小さい． ただし， 対称性の要請から，奇数次の項は消える． 立方晶の場合 六方晶の場合 六方晶の異方性エネルギーは直角座標では表現しにくい 多くの場合，2次～4次(K1~K2)の表現で十分 6回対称の要請から，2j, 4j の項は消える． 極座標で表示 立方晶の異方性 K1, K2 Easy Axis 100 110 111 Hard Axis 111 100 100 六方晶の異方性 K1, K2 Easy Direction c-axis c-plane Conical surface 磁場印加方向による磁化過程の違い 単結晶Co (hcp) の磁化曲線 M (emu/cc) H (Oe) 形状磁気異方性 磁性体のマクロ形状によって磁化容易方向が現れる性質． 慣性楕円体の形状異方性 扁平型 葉巻型 面内方向 長軸方向 ここに強磁性体があります 磁化と反磁場の関係 反磁場 Hd Hex 磁化 M + + + － － － 左から右の方向へ外部磁場 Hex を印加します 磁性体は外部磁場の方向に沿って磁化します 磁性体の磁化により 表面にはプラスとマイナスの磁極ができます 表面の磁極は磁気相互作用をします． 磁極のつくる磁力線のうち磁性体内部を通過するものを 反磁場と呼びます 磁性体にかかる正味の磁場 N : 反磁場係数 M : 磁化 Heff : 有効磁場 Hex : 外部磁場 Hd : 反磁場 反磁場 Hd Hex 磁化 M + + + － － － 磁性体そのものの情報を知るには，試料の反磁場の決定が必要 形状?方向による反磁場の差異 ■ x方向に長い針金状試料 ■ 薄板状試料 まとめ 磁性体には磁化容易方向と磁化困難方向，磁気異方性がある． 磁気異方性はその起源により以下のように分類できる 結晶磁気異方性 (Magnetocrystalline Anisotropy) 形状異方性 (Shape Anisotropy) 弾性磁気異方性 (Magnetoelastic Anisotropy) 表面磁気異方性 (Surface Magnetic Anisotropy) 磁性体には，他にも様々な性質があり，学問?応用の双方で，非常に奥深い研究対象である． * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *