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整形外科専門研修プログラム（2014 年度） ごあいさつ 整形外科は、骨、関節、神経、靭帯など運動器を扱う診療科です。先天性疾患、外傷、感染、 変性（退行性変化）、炎症、腫瘍、骨系統疾患など広範囲な疾患を扱います。特に近年、高齢化 社会を向かえ老化に関連した脊椎や関節の変性疾患の増加がみられ、手術から保存療法までま すます整形外科医の必要性は高まっています。 当院は多摩地区唯一の医学部付属病院として位置づけられています。そのなかで整形外科は 全ての運動器疾患に対応できるスタッフがそろっています。特に脊椎?脊髄疾患、関節疾患、骨? 軟部腫瘍、外傷に関する手術件数は年間約 1,000 例を数えます。特殊外来として、脊椎?脊髄、 骨粗鬆症、スポーツなどを専門性の高い外来を設けています。また、脊椎?脊髄外科センターも併 設しています。 さらに、首都圏でも評価の高い当院の高度救急救命センターに搬入される数多くの多発外傷も 経験できるなど、整形?災害外科の基本である外傷学を学べます。 当院の近くには井の頭公園、神代植物園、深大寺など武蔵野や多摩の自然が残っており、 いろいろな専門分野への教育システムが確立している当教室は、整形外科専門医としての充分 な知識と技術を習得するために最適な環境といえます。意欲のある若者を歓迎します。 教室主任 市村 正一 Ⅰ．研修の目標 1．一般目標 前半 2 年間の研修で基本的な整形外科一般の知識、検査、診断、治療、手術の全てを習得する とともに、学会での発表、論文作成を行い、臨床医としての基礎を構築する。3 年目でさらに深い 臨床経験を重ねるとともに、希望者には大学院を含む基礎あるいは臨床研究の機会を設け、臨 床、基礎研究の両面の研鑽を積む。 *資格取得：整形外科専門医（日本整形外科学会専門医制度委員会） 初期臨床研修 2 年および後期研修施設での整形外科研修 3 年を終了後、専門医試験を受験し 専門医を取得する。 2．個別目標 1） 基礎科学 整形外科における基礎知識を習得する。 骨、軟骨、関節組織 a] 解剖、生化学、代謝 b] 発生、発育、変性 c] 修復（骨折の治療、軟骨の修復） 脊髄、末梢神経、血管、筋、腱、靭帯 a] 構造 b] 神経の変性と再生 c] 中枢神経の機能 d] 血管系の機能 e] 筋の収縮 f] 腱、靭帯の損傷．再生 - 1 - 整形外科専門研修プログラム 2） 検査法．評価法 画像診断、電気生理学検査、病理組織学的診断の基礎知識と診断の能力の獲得 （画像診断） 単純 X 線、X 線断層、超音波、CT、MRI、骨シンチ 関節造影、脊髄造影、血管造影 （電気生理学） 筋電図、神経伝導速度、誘発電位 （病理組織学的診断）組織診断、遺伝子診断 3） 救急医療 運動器救急疾患?外傷に対応できる診療と治療を修得する。 1．多発外傷における重要臓器損傷の診断ができる。 2．多発外傷の重症度を判断できる。 3．多発外傷において優先検査順位を判断できる。 4 ．開放骨折を診断でき、その重症度を判断し適切な治療ができる。 5．骨折に伴う全身的?局所的症状の診断と治療ができる。 6．脊髄損傷の診断と治療ができる。 7．神経学的観察によって麻痺の高位を判断できる。 8．神経?血管?筋腱の損傷を診断と治療ができる。 9．骨?関節感染症の急性期の診断と治療ができる。 4） 変性疾患 適正な診断を行うために必要な運動器変性疾患の重要性と特殊性について理解し診断と治 療技術を習得する。 以下の疾患について診断と治療ができる。 1．関節リウマチとリウマチ性疾患 2．変形性関節症と類縁疾患 3．骨軟部腫瘍 （骨腫瘍、軟部腫瘍、腫瘍類似疾患） 4 ．骨