ジェンダーというものは、社会や文化や心理のあらゆるところにあるも.docVIP

女子大でどうジェンダー学を教えるか ジェンダーというものは、社会や文化や心理のあらゆるところにあるもので、考え方や感じ方、行動の形式や価値基準、そして習慣や法律のことである。 ジェンダー学を教えるには経済学の専門家が経済の中での女性の問題を扱い、文化は表像のなかにおける女性を扱うこと。ほかに政治、法律、心理学、医学、歴史学、教育学の専門家でジェンダーを扱っている学者は世界には多い。まだジェンダーをどのように教えるかということは日本ではまだ始まったばかりである。 ジェンダーとはなにか 生理学的な相違から生じるオス、雌は彼らが生まれつき持っている性である。生殖機能によってオスメスの解剖学的な違いがある。 　しかし人間は動物たちとは違う高度な社会や文化を発展させてきた。動物的な性差の上に、文化的、社会的、政治的、心理学的な性差の構造を築き揚げてきて、このようなことをジェンダーといってセックスと区別しているのだ。 　女性と男性の違いのなかでのおおきな違いは女性は子供を生むことができるということだ。それによって、女性は子供をうみおったら生きている価値がないをまでいうようになった。女性はこどもを産むというからだの昨日を持っているためにもっぱら子供を産み育児や家事をするものであると決められ、そのために家庭という「私的領域」に囲いこまれることになった。この意味は女性が自立できるような確かな職場や働く条件が確保されなければ、結婚するしかないし、そのほうが楽でもあるし自動的にその方向に進んでいくようにゆうどうされるからである。 　女性は家庭にいて夫は子供につくすのが仕事であるから、自分の才能をみがいたり、学問をやったり、仕事に打ち込んだりする強さや力や知性を持つことは不必要であり、さらに不幸である。なぜならそれは女らしくないことだからだ。女は他人に優しく気に入られるように美しくいい男性を結婚してその人の子供をうんでやさしい母親になることがただしいあるかたとされているからである。このように女性だけでなく男性もまた「らしさ」にしばられて、自分らしさや個性を生かすことが難しい世の中なのである。「男らしさ」「女らしさ」のように基づく固定的観念と生物機能、そしてこれを元にして作られた、「男性は社会、家庭、企業、団体の中心であって女性は周縁である」ということをしぜんなこととする習慣、法律、文化ができあがったのである。これが「社会的?文化的性差」としてのジェンダーである。生物学的な性差をセックスをいい、社会的?文化的につくられた性差をジェンダーという。 　このジェンダーは長い歴史をもっている。だから自然のことのように思いそのなかで生活しているのだ。実際には、西欧では中世からこの自分の才能や生き方を貫くことができないコノ構造の中で苦悩していて、このような構造を運命だと思うことに疑問や抵抗をぶつけてきた。１４世紀頃から古代、中世に「初期フェミニスト」が登場しているのだ。しかし、そのころは女性達の声はまだとても小さかった。時代が封建制であり、階級を言う差別の上に成り立っていた。また西洋ではキリスト教、日本では仏教が宗教の名において、女性を「罪深い性」だと考えられていたので女性差別は埋もれさせられていた。どちらの宗教でも男性が中心であったことはよくわかる。 　なので女性が異議を唱えその声が世界に広がって大きくなったのは２０世紀も後半の遅くになってからのことである。その前提として階級差別や人種差別などを廃止して、すべての基本的人権や平等、個人の尊厳や自由の権利を認めることが必要になった。階級差別や人権差別が法によってとりはらわれたという普遍的な理念が認められたことによって可能になった。人間が女か男かというのはテストの成績の結果でそうわけられたのではない。だから女性差別は、階級差別や人種差別や年齢差別などと同様に解消しなければならない人種の課題なのである。世界は先進国を中心として、この最後の差別の構造をなくすために多くの法や施策を打ち出してきた。２０世紀は宇宙を探索したり情報革命を起こしたりあらゆる技術革命を推進しただけではない。人類の最後の差別地帯といわれた男女の差別を解消することに着手し画期的な世紀なのである。 ２家父長制とはなにか この構造は数千年かそれ以上続いてきたがその結果として、世界は圧倒的に「男性優位」の世界になってしまった。学者達はこのようなジェンダーをつくりだす社会は家父長制社会であり、その社会は農業を牧畜が盛んになって「財産?土地」の私有が始まった頃に成立したと考えていてこれと同じ時期に、家族という組織や国家という制度も始まった。原始的な時代には子供の親は母親だけが明確に認知されるので、基本的に母系制であって、大地の豊穣と多産のシンボルである大地母神が