血液型不適合妊娠の取り扱いについて.doc

膆芃袀艿芀螅罿螈芄芃螄芃薆薅螇莆芄薁螄螅螄膆芃袀艿芀螅罿螈芄芃螄芃薆薅螇莆芄薁螄螅螄膆芃袀艿芀螅罿螈芄芃螄芃薆薅螇莆芄薁螄螅螄膆芃袀艿芀 血液型不適合妊娠の取り扱いについて ‐特に不規則抗体について‐ 産科　木戸　直子 ＜検討事項＞ 胎児貧血の評価法について 不規則抗体検査の取り扱いについて 血液型不適合妊娠の出生児の管理方法について 　血液型不適合妊娠により、母体の胎児赤血球に対する抗体が胎児に移行すると、胎児赤血球は溶血し、胎児貧血をきたす。さらに、胎児貧血が重症化することにより、胎児心不全を呈し、免疫性胎児水腫となり、胎児死亡となる場合もある。 胎児貧血の評価方法として、近年では超音波ドプラ法を使用した中大脳動脈最高血流速度( MCA-PSV)計測値から胎児ヘモグロビン値を推測する方法が用いられるようになってきており、胎児貧血の評価法について検討を行った。 また、現在当科では不規則抗体検査は行っていないが、不規則抗体陽性ということで紹介されてくる症例が散見される。紹介された不規則抗体陽性例の中には、分娩時の出血に対する輸血の確保が難しい(適合血の頻度が低い)例や、出生児が貧血や早発黄疸をきたす例がみられた。そのため、当科でも不規則抗体検査を行うべきかどうか、またその出生児の管理方法についても検討を行った。 ＜不規則抗体陽性で胎児貧血を来した自験例＞ ?抗M抗体陽性症例 29週1日　MCA-PSV；79.88cm/sec.(+2.06MoM)　　 　 胎児輸血施行時の輸血前Ht14. ＜文献＞ ①Middle cerebral artery peak systolic velocity for the diagnosis of fetal anemia:the untold story Ultrasound Obstet Gynecol 2005;25:320-330 MCA-PSV(中大脳動脈最高血流速度)計測値から胎児ヘモグロビン値が推測される。MCA-PSV測定による胎児貧血の評価は、羊水穿刺による⊿OD450による予測値に比較して同等かそれ以上の感度?特異度を持ち、非侵襲的な検査である。35週以降は擬陽性が多くなるが、増加傾向にあるときは分娩を考慮する。 ②11.血液型不適合妊娠　産科と婦人科?2005?11月号1469-1473 妊娠初診時に血液型(ABO型?Rh型)と不規則抗体スクリーニング検査を施行 最低限妊娠28週および分娩前にRh(D)抗原に対する間接クームス検査を施行 間接クームス16倍以上になった場合、胎児貧血の程度の評価を行う；MCA-PSV計測 　 ＜不規則抗体陽性妊婦より出生した児についての自験例(1994年～2007年8月)＞ 胎児貧血 早発黄疸 新生児黄疸 黄疸なし 抗D抗体 1 0 1 7 抗E,c抗体 0 1 1 2 抗M抗体 1 0 0 0 抗Jra抗体 0 1 0 0 抗Lea?JKa抗体 0 1 0 0 ＜検討会での検討内容＞ ?胎児貧血を示唆するドップラー所見として、ほかにもあるが、なぜMCA-PSVをFollow するのか 　→角度0度で測定が比較的容易であるため検者によるばらつきが少なく、数値として評価ができる基準ができているため（1.5MoM） 妊娠初期に1回だけ不規則抗体検査を行うとした場合、妊娠中に感作される可能性はないのか →感作される可能性はもちろん否定できないが、cost-benefitも考えると1回の検査が妥当なのではないか 　検討事項をふまえ、以下に当科での今後の管理方法を示す。 ＜血液型不適合妊娠の管理方法＞ 　不規則抗体検査(間接クームス検査)を初期検査に併せて行う。 ⅰ）Rh(D)不適合妊娠の場合 　a)夫(胎児の父親)の血液型を調べ、Rh(D)陰性の場合は以後の管理は不要。 　b)夫がRh(D)陽性の場合 　妊婦健診の度(概ね4週毎)に間接Coombs検査を施行し、間接ク―ムス陽性になったら、妊婦検診ごとにMCA-PSV(超音波ドプラ法を使用した中大脳動脈最高血流速度)を測定する。16倍を超えたらMCA-PSVの測定を毎週行い、胎児貧血を評価する。MCA-PSVのサンプルボリュームは内頸動脈より分岐した直後の中大脳動脈中心部に設定し、なるべく角度は0度とする。 ⅱ）Rh(D)以外の不規則抗体陽性妊娠の場合 　　　胎児溶血性貧血を起こしうるIgG抗体が検出された場合は、測定可能ならば2～3ヶ月毎に抗体価を測定する。また妊婦健診毎に中大脳動脈最高血流速度 (MCA-PSV)計測を行い胎児貧血を評価する。MCA-PSVが1.5 MoM以下でも上昇傾向がある場合には１週間間隔で計測を考慮する。 MCA-PSVが該当妊娠中央値の1.5倍（1