日本の医療を救え.PDFVIP

日本の医療を救え ～看護職の健康と安全を守ることが患者の健康と安全を守る～ 2011年6月3 日 公益社団法人 日本看護協会 Japanese Nursing Association 日本看護協会の取り組み ～いま新たな課題に立ち向かう 危機的状況にある日本の医療を救い国民に安全・安心の医療・看護を提供するため には、看護職の労働条件・労働環境の改善が急務である。 日本看護協会は｢専門職として働きがいのある労働条件の整備｣と｢生活者としての適 切なワーク・ライフ・バランスの実現｣をビジョンに掲げ、2007～9年の3カ年にわたり 「働き続けられる職場づくり（看護職確保定着推進事業）」を展開、 1.新卒看護職の定着促進 2.労働条件・労働環境の改善 3.キャリアの継続 に取り組んだ。 2010年、新卒看護職の定着促進に向けては、基礎教育の充実を図るため保助看法等 の改正により看護基礎教育に大学教育を明記、あわせて新卒者の卒後臨床研修が 制度化された。キャリアの継続に向けては、改正育児・介護休業法の施行により「育 児のための短時間勤務」の義務化が実現した。 しかしながら、看護職の労働条件・労働環境は依然厳しく、大量離職が看護現場を脅 かしている。 日本看護協会は、新公益社団法人移行にあたり基本理念に「看護職が生涯を通じて 安心して働き続けられる環境づくりを推進する」を、新定款では主たる事業として「看 護職の労働環境の改善及び福祉の向上による国民の健康及び福祉の増進に関する 事業」を位置づけ、2010年度に続き2011年度も重点政策・重点事業として「労働条件・ 労働環境の改善」に取り組む。 2 日本看護協会 「日本の医療を救え」 2011年6月3 日 1. 日本の医療が危ない 目次 1-1 急性期医療の危機 【P4】 1-2 慢性期医療の危機 【P5】 1-3 病院看護職 年間10万人離職の悪循環 【P6】 2. 看護職確保難の原因は過重労働 2-1 看護師過労死の衝撃 【P7】 2-2 超過勤務で23人にひとりが過労死危険レベル 【P8】 2-3 1昼夜連続勤務？ 過酷な交代制勤務の実態 【P9】 2-4 月の半分は夜勤 「2-8 （ニッパチ）判定」に遠い実態 【P10】 2-5 有給休暇が取れない 回復しない疲労 【P11 】 2-6 離職の真の原因は長時間労働と夜勤 【P12】 2-7 慢性疲労が医療事故の不安を増幅している 【P13】 3. 労働科学の最新知見が危険を警告 3-1 夜勤は酒気帯び運転以上に危険 【P14】 3-2 長時間労働・夜勤でリスク増 【P15】 4. 給与水準は専門性と責任の重さに見合っているか 【P16】 5. いまこそ労働条件の改善を