生鮮トマトに関する消費者ニーズ.PDFVIP

参考資料 分類名 〔経営〕 生鮮 トマトに関する消費者ニーズ 農業 ・園芸総合研究所 １ 取り上げた理由 トマトは，世代を超えて好まれる人気野菜であり，スーパーや農産物直売所等で幅広く販売され， 消費者のニーズも多様である。そこで，普及に移す技術第84号 （参考資料）で示された 「農産物マ ーケティングにおけるグループインタビューの手法」をもとに生食用大玉トマトの未充足ニーズを 調査したところ，購入時に消費者が重視している項目とニーズが明らかになったので，参考資料と する。 ２ 参考資料 １）グループインタビューにより得られたニーズと予想される55項目について，アンケート調査を 行い， 「未充足ニーズ」上位10項目を分析したところ，以下の特徴が認められた （図１）。 ａ 「美味しい」 「安全安心」 「完熟」といった基本的な項目が重視される傾向にある。 ｂ 冬場のトマトに関する 「選び方」 「美味しさ」 「値頃感」などの項目が目立ち，消費者 が冬場のトマトに関心を持ち，しかも現状に満足していない様子がうかがわれた。 ｃ 加工品に関する項目が３つあげられ，加工品への関心が高いものと推測された。特に 「農家が作った ・・」という農家の手作り感を求める傾向がみられた。 ２）おおまかな世代間比較のため，一般に用いられる50歳区切りにより比較したところ， 「50歳未 満のグループ」と 「50歳以上のグループ」では，項目によってニーズの強さに違いが見られた （図1）。 ａ 50歳未満では， 「農家が作った加工品」や 「国内産のドライトマト」を買いたいという加 工品への関心が高い傾向にある。 ｂ 50歳以上では 「冬場にトマトが選びやすくなるような情報を知りたい」等，冬場のトマト に関心が高い傾向がある。 ３ 利活用の留意点 １）グループインタビュー手法により得られた発言内容を分析，精査した結果，ニーズの可能性に なる55項目を取り上げた。グループインタビューは，平成21年７月に仙台市内在住の30～40代７ 名，50～60代５名の女性，２グループで行った。 ２）55項目について，農園研登録モニターへ郵送によるアンケート調査を行い，数量的測定を行っ た。各項目年代別のニーズ （重要度－充足度）に関して，カイ二乗検定による検定を行ったとこ ろ，有意差は見られなかった。調査時期は平成21年10～11月，対象者は仙台在住モニターで配布 数231，回収166，回収率71.8％である。回答があったモニターの年代構成は表１のとおりである。 ３）トマトは栽培区分上 「大玉トマト」 「中玉 （ミディ）トマト」 「ミニトマト」と分けられるが， 本調査では生食用について 「大玉トマト」 （普通の大きさのトマト）を対象としてアンケートに 回答してもらった。加工品については，限定していない。 （問い合わせ先 ：宮城県農業 ・園芸総合研究所情報経営部 電話０２２－３８３－８１２０） 58 ４ 背景となった主要な試験研究 １）研究課題名及び研究期間 特色ある産地づくりを可能にする果菜類の高品質安定生産技術の確立 （平成19～21年度） ２）参考データ 2.0 1.8 1.5 未充足ニーズ 1.3 1.0 0.8 0.5 冬場にト 県内の農 美味しい 農家が マトを選 畑で完熟 冬にも美 家が作っ 国内産の冬場に値 トマトの 安全安心 美味しい