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技術士資格取得のために 第２号 発行者：江平 英雄、 発行日：20１０年1月30 日 メールアドレス ：ｒｄｓｎｘ１８７＠ｙｂｂ．ｎｅ． ｊｐ まえがき 今年の受験生の中には、設問を想定して、自分の解答文を送信してきていま す。その内容を参考にしながら、今回は、私の考え方、コメントを以下に記述 しています。このようなやり取りは、お互いの勉強にもなりますし、理解度を 高める一つの方法にもなります。是非、今年は、会話を交わすつもりでメール してくれることを切望します。 １．設問内容の分析 設問の想定課題には、平成19 年度の道路部門の設問 「舗装はアスファルト舗 装とセメントコンクリ－ト舗装に大別されるが、最近の我が国の舗装を取り巻 く状況を踏まえた上でそれぞれの舗装の特徴および課題を述べるとともに、こ れらを考慮して今後の舗装の計画がどうあるべきかについてあなたの意見を述 べよ」です。受験生は、このような設問に対して、何処に焦点をあわせて解答 するかを考えなければなりません。それは、試験官が期待している解答の意図 が、何処にあるかを探ることになります。そのためには、設問内容の分析とキ ーワードを設けることになります。 ⒜ 設問内容でのキーワー ドは？ 設問内容を分析すると、設問内容には、① 「舗装はアスファルト舗装とセメ ントコンクリ－ト舗装に大別される」、② 「最近の我が国の舗装を取り巻く状 況を踏まえた上でそれぞれの舗装の特徴および課題」、③ 「今後の舗装の計画 のあり方」の3項目の文章が見られています。 ① 「舗装はアスファルト舗装とセメントコンクリ－ト舗装に大別される」とは あなたの知識としては、道路舗装が走行車両の安全性、快適性、円滑性を確 保するために欠かせないものであること、我が国の道路実延長が平成19 年4 月 現在、約 120 万㎞の道路の舗装率が、主要地方道で約97.9％、一般都道府県道 で95.0％と高い整備水準に達していること、アスファルト舗装率が90％を占め ていることがあります。では、なぜ、アスファルト舗装なのか？と、あなたは 考えたことがありますか？ アスファルト舗装は、平均寿命 10 年と言われ、温度管理を十分に行って施工 すれば、補修工事も短時間に実施することができる特徴があります。一方、コ 1 ンクリート舗装は、平均寿命20 年と言われていますが、コンクリート打設から 養生、硬化の時間が必要ですし、アスファル ト舗装のように短時間に補修が完 了することができません。 元来、アスファルトは、天然に、あるいは石油の蒸留残渣として得られる黒 色の固体又は半固体で、炭化水素を主成分になっています。最近の化学技術の 発展においては、石油の蒸留残渣がゼロに近づき、アスファル トも化学化合物 になってきています。 ② 「最近の我が国の舗装を取り巻く状況を踏まえた上でそれぞれの舗装の特徴 及び課題」とは ここには、 「最近の我が国の舗装を取り巻く状況」と 「それぞれの舗装の特 徴および課題」の二つの設問が存在しています。 ⒜ 「最近の我が国の舗装を取 り巻 く状況」とは、道路舗装に於ける時代の変遷 を意味しています。しかし、道路舗装とは、路面の平坦性を確保することによ って車両の安全走行を確保し、それがドライバーに快適さを与え、道路の沿道 に土埃や水ふぶきを撒き散らすこともなく、しかも、車両の重力に耐える構造 になっています。そのような道路舗装が、わが国においては、何が、変わった のでしょう？ 私達が耳にする舗装用語には、 「高機能舗装」 「排水性舗装」と言う言葉が あります。この言葉の意味は、どんなことでしょう？その舗装の特徴は？と考 えて見ることです。それが、設問にある 「最近の我が国の舗装を取り巻く状況」 に該当するのだろうか？ 「高機能舗装」 「排水性舗装」とは、道路騒音の縮減、水跳ね防止効果、す べり抵抗力の増大などの機能を有していることから 「高機能舗装」と称し、そ の機能が排水性に富んでいることから 「排水性舗装」と称されています。用語 は異なりますが、本質的な機能は同じです。これらの舗装は、なぜ生れたのだ ろうか？と考えたことがありますか？あるいは調べたことがありますか？そこ には、舗装の歴史を調べる楽しさがあります。 舗装の概念は、道の歴史と同じように、人が歩むために、