急激に增加する社会的コスト - 一般社团法人 滋贺県ト .docVIP

軽油価格高騰に伴う影響調査（荷主要請のための資料） ■急激に増加する社会的コスト 　トラック運送業界は輸送量の減少、運賃単価の下落に加え、新規参入事業者の増加等により経営環境は一段と厳しさを増している。 　コスト面では、営業用トラックに関係の深いものだけで自動車関係諸税が９種類にも及ぶ。 　物流活動としては、利便性や効率性の向上等に加え、環境負荷の低減や循環型社会への貢献を目指す総合的な物流体制の整備が求められている。特に環境保全、交通安全に係る対策は多岐にわたり、自動車NOx?PM法及び一都三県及び兵庫県における環境条例規制に適合する新基準車両への設備投資（ディーゼル排気微粒子除去装置（DPF）１台あたり80万～135万円）、スピードリミッター（１台あたり20万円前後）の装着義務化への対応など、事業者のコスト負担が一段と増大している。 ■値上がりが続く軽油価格 　トラックの運行にかかる燃料の価格高騰が著しい。（社）全日本トラック協会が調べた軽油価格をみると、平成17年３月のローリー価格は72.98円／?となっており、平成１６年と比べ約10円も値上がりしている。 　４月以降の値上げ要請も行われており、さらに約５円程度の上昇が見込まれている。 図表　軽油価格の推移 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　資料：（社）全日本トラック協会調べ ■低下が続くトラック運賃 　トラック運賃の推移をみると、日銀の企業向けサービス価格指数では５年前と比べ４～５％低下、全ト協のアンケート調査でも特別積合せでは平成15年２月調査を100として17年２月は98.3、一般貨物は98.3に低下している。 図表　トラック運賃の変化 資料：日本銀行「企業向けサービス価格指数」 資料：（社）全日本トラック協会調べ ■依然として厳しいトラック運送事業経営 　トラック運送事業の経営状況は、平成15年度の１社平均で、貨物運送事業収入は2億31百万円となり前年度比2.1%減少した。これは４年連続の減少である。貨物運送事業の営業利益は43万6千円で、前年度のマイナスから脱したものの、著しく低い水準であることに変わりない。また、経常利益は145万8千円に留まっている。 　利益計上（黒字）企業の割合は前年度から２ポイント改善し55%となったが、半数弱が赤字企業であるという厳しさは変わらない。この薄利体質は、社会的コストや運行コストが少し上昇しただけでも、多数の企業がさらに赤字に転落することを示している。 図表　トラック運送事業者の経営状況 ■１円／?の燃料価格上昇がトラック運送業界に与える影響 　燃料価格が１円／?上昇することによるトラック運送業界のコストの増額は、軽油で180億円、ガソリンで5億円、合計で185億円にも上る。 図表　トラック運送業界の負担燃料コスト 　なお、燃料の平均価格を営業用トラックの燃料消費量に乗じて算出したトラック運送業界全体での負担燃料コストは、13年度では1兆1740億円、14年度では1兆1930億円、15年度では1兆2010億円となっている。 ■燃料価格の上昇で、一般貨物運送業界は大幅赤字へ 　経営分析報告書（（社）全日本トラック協会）を用いて業界負担燃料コストを試算すると、平成１７年１～３月平均で軽油価格が７２.３円／?になったため、業界の１年間の燃料油脂費は１兆982億円から１兆2,438億円となり、1,456億円も増加する。この結果、営業損益は1,578億円のマイナス、経常損益は996億円のマイナスとなり、業界利益は消失し、大きな損失が生じると見込まれる。 　さらに４月以降の５円の上昇を見込むと、営業損益は2,412億円のマイナス、経常損益は1,829億円のマイナスとなり、業界損失は著しく大きくなる。 図表　特積み以外の一般貨物運送事業者の営業損益、経常損益に与える影響 ■燃料価格の上昇で、トラック運送業の倒産も増加へ 　トラック運送事業者の倒産件数は企業の経常損益と負の相関（経常損益が減少すると倒産件数が増加するという関係）がある。 　平成１７年１－３月の燃料価格水準であった場合の平成１５年度の経常損益から倒産件数を推計すると、実際の約1.6倍746社。77.3円/?、ガソリン価格121.7円/?）876社に。 ■運賃転嫁が難しい燃料コスト増 　軽油の値上がりは、ただでさえ低いトラック運送事業者の収益をさらに圧迫する。 　平成１７年１月に（社）全日本トラック協会がトラック運送事業者に対して軽油価格の値上がりに関するアンケート調査したところ、軽油の値上がり分を運賃に「全く転嫁できない」とする事業者が86.0%に上った。「ほぼ転嫁できている」という事業者は1.2%、「一部転嫁で