平成26年度制造基盘技术実态等调査事业.PDFVIP

平成２６年度製造基盤技術実態等調査事業 （我が国繊維産地企業の商品開発・販路開拓の在り方に関する調査事業） 報告書 ライフスタイルアクセント株式会社 平成27 年3 月 目次 1. はじめに 2 1.1. 事業目的・背景 2 1.2. 調査の実施方針と方法 3 2. 国内繊維企業の取り組み事例に関する調査 4 2.1. 調査概要 4 2.2. 訪問先企業一覧 5 3. 消費者参加型・体験型ものづくりの効果実証 10 3.1. 調査の実施概要 10 4. 国内産地企業の販路開拓にかかる戦略を検討する研究会の開催 17 4.1. 目的 17 4.2. 研究会の概要 17 1 1. はじめに 1.1. 事業目的・背景 川中業界では、一部のテキスタイルや染色業界において、「二次製品の開発」や「自 販ルートの開拓」などＢｔｏＣ分野への積極的な事業拡大が進み、製造小売化の動き が加速化している。これらの企業は、オリジナルの高付加価値品を投入することで安 価な輸入汎用品との差別化を図り、ニッチトップ型企業として、国内生き残りを図っ ている。一方で、消費者ニーズの把握や自前の流通経路の確保に弱みを抱え、OEM による受注生産に依存し、低利益に甘んじている。 近年、為替の影響等により、海外に移転した工場の国内回帰や国産製品への再評価 など、メイドインジャパンを見直す動きが見られる。本年１月には、繊維製品におけ る国産表示制度（Ｊ∞ＱＵＡＬＩＴＹ認証事業）が開始された。本制度は、我が国の ＢｔｏＣ製品にとって、安全・安心や高機能といった国産製品の価値を国内外の消費 者に訴求することは高付加価値化に向けた有力な手段の一つになる。今後、テキスタ イル供給事業者としてだけでなく、商品企画者としても、国内だけでなく海外市場も 視野に、更なる高付加価値国産製品の開発や市場拡大が期待されるところ。 また、これまで製品づくりのイニシアティブはメーカー独占であったが、消費イン テリジェンスやメーカーズ革命などを背景として、消費者も生産に参加するようにな ってきており、ＢｔｏＣ製品においては、消費者ニーズを反映させた商品開発がこれ まで以上に重要となっている。 本事業では、こうした消費者ニーズを反映させた製品を生み出す国内繊維企業が行 う製品企画・提案や販路開拓等の優れた取組事例を調査する。また、国内産地企業が 連携して行う販路開拓における課題の議論や、消費者参加型・体験型ものづくりにお ける効果実証を検討することで、消費者ニーズを踏まえた商品開発・販路開拓の在り 方について課題を整理する。 2 1.2. 調査の実施方針と方法 ① 国内繊維企業の取組事例に関する調査 我が国の消費者は、世界的に見ても商品に対し非常に厳しい目をもっており、安 全・安心、高品質でありながらも、安価な商品を求めている。今後、我が国繊維 業界が市場を拡大していくためには、アパレル企業や小売事業者が自らの商品の こだわりや商品にまつわるストーリーを消費者に伝えるだけではなく、製造事業 者も消費者ニーズを反映させたものづくりに重点をおき、自らの製品の魅力や特 徴を消費者に対し発信することが重要。 本調査では、我が国独自の優れた技術力等を持ち、消費者ニーズを反映させた 商品づくりを行う繊維製造事業者の取組事例を 10 件程度調査・分析し、報告書 に取りまとめる。 ② 消費者参加型・体験型ものづくりの効果実証 一部の小売企業においては、消費者向けに製品の製造現場の見学