企业理念に基づくマネジメント人材像の定义.pdf

11 年 5 月号 企業理念に基づくマネジメント人材像の定義 ～人材像を定義する７つの視点～ 株式会社野村総合研究所 消費財・サービス産業コンサルティング部 副主任コンサルタント 綿 江 彰 禅 １．マネジメント人材育成における課題 ２．マネジメント人材像の定義 １）マネジメント人材育成が注目される背景 １）マネジメント人材像とは 1990 年代には、バブル崩壊の影響を受け、多くの日 マネジメント人材を育成する上では、「企業理念」 「マ 本企業が、新卒の採用を抑制した時期が続いた。この時 ネジメント人材像」 「人材育成体系」の３つをセットで考 期に入社した社員は、それ以前に入社した社員よりも、 えねばならない（図１）。 後輩の人数が少ない環境の中で過ごし、部下を指導す る経験に乏しい場合が多い。また、2000 年代前半に導 図１ マネジメント人材を育成する体系 入が進んだ成果主義により、あらゆる企業において、マ ネジメント力よりもプレイング力が重視されるようになった。 企業理念 企業理念：組織自体の存在意義 そのため、これらの社員が管理職に占める割合が高まる （ウェイ、イズム、バリュー等） ウェイ：企業全体で持つべき共通の価値観 とともに、企業ではマネジメント機能の弱体化が問題視さ 組織としてどのようなマネジメント れるようになってきた。 マネジメント人材像 人材を求めていくかを明文化したもの ２）マネジメント人材育成における課題 マネジメント人材の育成体系 こうした問題意識のもとで、企業は、人事ローテーショ 人材育成体系 （研修制度、評価報酬制度、 組織、人事ローテーション等） ンや研修の充実などを通じて、マネジメント人材の育成 を図っている。また、マネジメント能力を見極めるために、 評価制度に工夫を凝らしている企業もある。 マネジメント人材像とは、「組織としてどのようなマネジ しかし、依然として、様々な企業から、「マネジメント力 メント人材を求めていくかを明文化したもの」である。人 に優れ、会社の次世代を任せられるような社員が不足し 材像の表現においては、次の３点を留意すべきである。 ている」、「投資の割に、人材の成長スピードが遅い」等 ・ 企業理念もしくはウェイ等の企業の価値観を体現 の悩みの声が聞かれる。こうした悩みは、企業の中で、 するような表現 人材育成のゴール、すなわち企業としてどのようなマネ ・ どの社員にも理解かつ記憶できるような簡潔な表現