分野金鱼难易度上级.PDFVIP

第７回（平成２４年） 「大和郡山・金魚検定」 解 説 ＜分 野… 金魚 ＞ ＜難易度… 上級 ＞ 大和郡山・金魚検定認定委員会 第７回『大和郡山・金魚検定』 【金魚】【上級】 解説 問題１ 【正 答】 ① ヒロニシキ（弘錦） 【解 説】 ヒロニシキは津軽地方で飼育されていた地金魚で、金魚研究の大家である松 井佳一博士が大正初期に当地を訪れたおり、この金魚の存在を知り世に公表し て広く知られるようになった。本品種は青森県弘前市の宮本喜三郎によって作 出され県下で飼育されていたが絶滅した。この金魚の体形は松井博士の示した 標本写真による以外になく、体色は赤、更紗であったといわれている。弘前で は金魚の種々の品種を交雑し、累代交配してツガルニシキの復元が試みられて きたが、その過程でヒロニシキ様の体形をした個体が生じている。 【文 献】 １）松井佳一：復刻版 科学と趣味から見た金魚の研究．弘道閣，東京， 2006，pp.155． ２）松井佳一：金魚大鑑．緑書房，東京，1972，pp.28． ３）五十嵐 孝夫：青森県下に於ける内水面利用としての金魚竝びに鯉の 養殖に就いて．青森縣水産資源調査報告，１，238-239（1950）． 問題２ 【正 答】 ③ ナンキン（南京） 【解 説】 オオサカランチュウの色模様には細かな基準が設けられている。対鰭の胸鰭、 お あ か か 腹鰭、臀鰭、および尾鰭が赤いものを「本六輪尾紅」といい、口、眼巣（眼窩 び こうしゆう りようあご 部の周囲）、髭（房状になった鼻弁、鼻孔褶）、両顋（左右の鰓蓋）がいず かしらどう ぐ ぞろえ れも赤いものを「頭道具揃」というが、「本国錦」とはこの「本六輪尾紅」 と「頭道具揃」を兼ね備えた模様をいう。これはオオサカランチュウの基調の 体色であり、ナンキンでも古くからこの色柄を基調としてきた。これに加えて 胴部、あるいは胴部から尾部（尾筒）にかけて更紗・小豆更紗模様を備えたも のはあでやかで好まれる。 【文 献】 １）長沢兵次郎：金魚のすべて.カラーポケットガイド④, マリン企画, 東京，1984，pp.202 -204． ２）三好音次郎：金魚問答.発行者 又間安二郎,印刷者 本田恒市,大阪， 1903，pp.81． ３）いづもナンキン振興会：いづもナンキン審査基準，色彩． - 1 - 第７回『大和郡山・金魚検定』 【金魚】【上級】 解説 問題３ 【正 答】 ④ 舞子 【解 説】 スエヒロニシキはブリストル朱文金のハート形の尾鰭を一層大きくし扇形に び へ い 展開させたもので、これを支える尾柄（尾筒）を太く作り、頭を小さく体高を 高く作っている。全長が１６㎝未満のものは、この金魚の最大の特徴である尾 形がまだ未完の状態にあって、これを「舞子」と称している。全長が１６㎝以 上に育つと尾鰭は扇形を呈すようになり、これを「扇魚」と称している。現在 も固定化が進められている新しい金魚である。 【文 献】 緑書房編集部：金魚を愉しむ（月刊フィッシュマガジン2010年7月号別冊）． 緑書房，東京，2010，pp.72． 問題４ 【正 答】 ④ アラタマノハナ（麁玉の華） 【解 説】 アラタマノハナ（麁玉の華）はオオサカランチュウをベースに静岡県の養魚 家磯部静夫氏によって作出 ・命名された品種である。「