薬物送达学研究室.PDFVIP

(4) 一 県薬ニュース No.404 - 平成22年8月1日 薬物送達学 研究室 Member に存在するTLランスポーターの種嬢と蛋白量を解明 教授 寺崎 哲也 (てらさき てつや) することによって､薬の脳内濃度に与える個々のト 准教授 大槻 純男 (おおつき すみお) ランスポ-タ-の影響度を明らかにして､効果的で GCOE助敦 久保 義行 (くぼ よしゆき) 副作用のない中枢疾患治療薬の開発に対する支援を 助手 内田 康雄 (うちだ やすお) 行っている｡また､試験管レベルの実験手法を用い 分野研究員 井上 多恵 (いのうえ たえ) て薬の脳内濃度を正確に予測する方法論を確立し､ 新薬開発の成功確率を高くしたいと考えているQ 連 絡 先 TEL:022-795-6831 研究内容 FAX:022-795-6886 血液脳関門の実体は脳毛細血管内皮細胞であり､ e-mail:terasaki@mail.pharm.tohoku.ac.jp 血液中と脳内の間の物質交換を厳密に制御している HP :http://www.pharm.tohoku.ac,jp/ (図1)｡一般的に､水溶性の物質はこの壁を透通し %7Esoutatsu/ads/index.htm にくく､脂溶性の物質は透通しやすい｡しかし､グ ルコースやアミノ酸､一部の水溶性の高い薬が避く 研究テーマ 脳へ移行することや脂溶性が高いにもかかわらず脳 血液脳関門のトランスポーター研究: へ移行しにくい薬も存在する｡これは､内皮細胞に 薬の脳への分布機構の解明 存在するトランスポータ-によってこれらの物質が 血液から脳内へ､あるいは脳内から血液-積極的に 研究概要 遊ばれているからである｡図2にこれまでに発見さ 薬の脳内浪度は､血液脳関門のトランスポーター れているトランスポーターの種類を示した｡私たち によって調節されているため､トランスポーターは が着目しているのは､脂溶性の薬を積極的に脳内か 中枢組織における薬の作用や副作用の強さに影響を ら汲みだすP糖タンパク質 (p-gp)およびABCG2､ 与えている (図1と2)｡私たちは､この血液脳関門 アニオン性の薬を脳内から汲みだすMRP4および アニオン性の薬物 エ*JL,ギーEEl達gL冗 院内から血液の地文捷出(汲み出し) 脂活 性の高い薬物 アニオン性0)薬物 図1 脳内の神経系と血液脳関門の構造 図2 血液脳関門のトランスポーター ー宮 城 県 弗 剤 師 金 一 平成22年8月1日 一 県薬ニュース No.404 一′ (5) oAT3､アニオン性の薬を血液中から脳内へ運ぶ