‘メラニン色素’の输送に必须のタンパク质复合体を构造 - 理化学研究所.pdfVIP

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年10 月8 日 独立行政法人 理化学研究所 大学共同利用法人 高エネルギー加速器研究機構 国立大学法人 東京大学大学院理学系研究科 国立大学法人 東北大学 国立大学法人 群馬大学 「メラニン色素」の輸送に必須のタンパク質複合体を構造決定 - 肌の美白維持や白髪抑制などの薬剤開発に期待 - 強烈な直射日光を浴びた夏が過ぎ、気になりだすのが、日焼けによってできたシミ やそばかす。これらはメラニン色素が皮膚に沈着することで生じます。メラニン色素 は、メラノサイトと呼ばれる、皮膚の基底層にある特殊な細胞の核周辺でつくられ、 細胞内顆粒のメラノソームに蓄積されます。その後、成熟したメラノソームは、細胞 内の微小管とアクチン線維に沿って、細胞膜まで運ばれ、隣接する皮膚を作る細胞や 毛を作る細胞（毛母細胞）に受け渡され、その結果、皮膚や毛髪の暗色化が起こりま す。 このメラノサイト内のメラノームの輸送は、「Rab27A」と呼ばれる低分子量のG タンパク質が、エフェクターと呼ばれるタンパク質に特異的に結合することで正常に 進みます。 理研生命分子システム基盤研究領域は、高エネルギー加速器研究機構らとともに、 メラニン色素の輸送に必須のタンパク質「Rab27」の2 つの複合体の構造を世界で初 めて解明しました。また、解析した構造を基に、エフェクターを認識する重要なアミ ノ酸残基を同定しました。 これらのタンパク質間の結合阻害や安定化が、メラノソーム輸送の人為的な制御に つながることから、この研究成果は、肌の美白の維持や白髪発生の抑制効果をもつ薬 剤設計を可能にすると期待されます。 図 Rab27A とSlp2-a の複合体（左）とRab27B とSlac2-a の複合体（右）の結晶構造 図 成熟したメラノソーム上には荷札役 のRab27A が特異的に存在している 報道発表資料 2008 年10 月8 日 独立行政法人 理化学研究所 大学共同利用法人 高エネルギー加速器研究機構 国立大学法人 東京大学大学院理学系研究科 国立大学法人 東北大学 国立大学法人 群馬大学 「メラニン色素」の輸送に必須のタンパク質複合体を構造決定 - 肌の美白維持や白髪抑制などの薬剤開発に期待 - ◇ポイント◇ ・メラニン色素輸送の鍵タンパク質「Rab27」の2 つの複合体の構造を決定 ・肌を白色化する遺伝病の発症メカニズムがRab27 複合体の結合阻害と解明 ・Rab27 複合体の形成阻害や安定化の薬剤設計が可能に 独立行政法人理化学研究所（野依良治理事長）と高エネルギー加速器研究機構（鈴 木厚人機構長：KEK）は、肌や髪を黒くする