和歌山城担当课整备企画课.PDFVIP

資 料 提 供 和歌山城 担 当 課 整備企画課 担 当 者 山本、鳥居 平成２６年 ６月２０日 電 話 073-435-1044 史跡和歌山城 裏坂入り口奥の石段への落書きについて 裏坂入り口奥の石段を削って、落書きされているのを発見しました。第一発見者は、おもてなし 充実事業における業務委託している忍者が公園内を回っている中で発見しました。 １ 通報のあった日時・場所 平成２６年６月１８日 （水） １５時頃視認 裏坂入り口付近の石段 ２ 事件・事故の状況 石段を鋭利なもので削ったものと思われる。 ３ 対応・措置 警察へ被害届を６月２０日提出済。 石段自体の破損は進まないと考えられるので、推移を見守りながら対応を検討していく。 ４ 復旧の見通し 遺構としての歴史的価値を損なうことなく原状回復する工法を検討していく。 ５ その他 （添付書類） 位置図 現場写真 ※ 被害のあった石段について が ん ぎ この度落書きのあった石材は、「雁木」と呼ばれる城の石段の一部である。江戸後期の和歌山城 わ か や ま ごじょうないそうお ん え ず 内を描いた「和歌山御城内惣御絵図」（和歌山県立図書館蔵）によると、この雁木は西の「御多モ た も ん やぐら ン」（多門。一階建ての櫓。）の出入り口に設けられていたことがわかる。 和歌山城の石垣は概ね三種類の石材からなり、この雁木については、直方体に切り出した砂岩を 積んで構築している。砂岩の石垣は浅野期または徳川期に属するとみられ、石材の状況からみて江 戸時代よりも後に積みなおされた可能性は低く、先の「和歌山御城内惣御絵図」が描く雁木がその まま残されていると判断してよい。 以上のように、今回被害を受けた石材は、城内の重要な出入り口を守る施設に付属する雁木の一 部であり、近世の築城の様相を示すものとしてその歴史的価値は極めて高い。 和歌山公園 全体図 き損箇所 現場付近見取図 き損箇所