中国の产业动向と日本2-1-1.pdfVIP

（財）日中経済協会「日中経済交流2008年」 第Ⅱ部　中国の産業動向と日本 　第 1 章　資源・エネルギー　 第 1 節　石油・天然ガス 1．石油（原油・石油製品）需給 （1）需要、石油消費 2008 年は世界の石油需要が大きく落ち込んだ。中近東や南米など主に産油国では石油 消費が増加したが、世界全体で見ると石油需要は前年比 0.4%（日量 37 万バレル）減少した。 中国の石油需要は過去 10 年平均 6%の伸びを示してきたが、2008 年の石油需要は前年比 4.3%（日量 33 万バレル）の伸びにとどまった。また、通年では増加したが、需要は 2008 年第 4 四半期以降急落している。2008 年第 4 四半期以降、国際金融危機の影響による輸 出産業の低迷で、中国経済は減速した。産業や発電用燃料などの石油需要が減退し、企業 は高い在庫を抱え、製油所は在庫調整のための減産を余儀なくされている。IEA は 2009 年の中国の石油需要伸び率は前年とほぼ横ばいの 0.7%（日量 6 万バレル）程度にとどま ると見ている。 （2）原油国内生産、輸出入 2008 年の原油生産量は約 1 億 9,000 万トンで 2007 年に比べ 2.3%増加した。原油生産は 頭打ちと言われながら、毎年数％の増加を続けている。背景には国内供給強化政策による 積極投資、フロンティア地域の開拓や技術革新があると思われる。例えば 40 年以上生産 を続けている大慶油田は、油田の成熟化により毎年 150 万トン程度生産量が減退している が、2008 年も辛うじて年産 4,000 万トンを維持した。また、西部（新疆ジュンガル盆地や 陝西省付近のオルドス盆地等）ならびに海洋（渤海等）油田の開発が進み、生産量が増大 している。 原油輸入量から輸出量を差し引いた原油純輸入量は 1 億 7,515 万トンで、原油輸入依存 度は 48%である。主要な原油輸入相手国は、サウジアラビア、アンゴラ、イラン、オマー ン、ロシアであり、これら五カ国からの輸入が全体の 6 割強を占めている。 原油輸出量は昨年とほぼ同量の 373 万トンである。 （3）国家石油備蓄 国家石油備蓄は 1 期 4 基地（浙江省鎮海・舟山、山東省黄島、遼寧省大連、貯蔵容量計 1,620 万キロリットル）の建設・備蓄が進んでいる。すでに鎮海基地の備蓄は完了しており、 － 137 － 1 （財）日中経済協会「日中経済交流2008年」 図表 1　中国の原油輸入相手国トップ 5 カ国 China　OGP にもとづき作成 図表 2　国家石油備蓄（1 期、2 期） 国家石油備蓄 貯蔵容量 現状 タンク数 （1期） （万kl）