平成28年度卫生研究所年报-神奈川県卫生研究所.PDFVIP

神奈川県 CODEN ：KEKNAP 衛生研究所 ISSN ：0451-3150 平成28 年度 （2016） 神奈川県 衛生研究所 年報 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第66 号 平成29 年 8 月 ま え が き 平成 28 年度第 66 号の神奈川県衛生研究所年報をお届けいたします。 当所の使命は「県民の健康と安全を守る」ことです。私どもは、この使命を果たすため、企 画情報部、微生物部、理化学部、地域調査部の 4 部と管理課が一体となって、日々、業務と研 究にまい進しています。 また、神奈川県基幹感染症情報センターとしては、横浜市、川崎市、相模原市等も含め、感 染症発生動向を週報や月報として集計し、分析 した後、ホームページ等で情報を提供するなど、 感染症発生防止や拡大防止にも努めています。近年、新たな感染症やデング熱など、これまで わが国にとってそれほど問題とならなかった感染症が大きな脅威となる事案が発生していま す。平成28年は、2月に世界保健機関（WHO）が「公衆の保健上の緊急事態（PHEIC:Public Health Emergency of International Concern ）」を宣言したジカウイルス感染症の流行がブラジルな ど中南米で続き、米国フロリダにも波及し東南アジアでも流行が確認されました。夏には海外 から持ち込まれた麻疹の集団発生事例があり、10月には冷凍メンチカツによる腸管出血性大腸 菌感染症が神奈川県を中心に発生しました。また、全国的な梅毒患者の増加も問題となってい ます。 神奈川県では危険ドラッグをはじめとする薬物濫用の被害を未然に防止し、県民の健康及び 安全を確保するため、神奈川県薬物濫用防止条例を平成27年4月に一部施行 し、同年6月に全面 施行しました。当所は危険ドラッグに含有される指定薬物等の調査を行っており、科学的知見 に基づいた施策の適切な実施のために重要な役割を果たしています。また、後発医薬品の品質 確保のために国立医薬品食品衛生研究所の検討会が品質を確認する必要があるとした製剤に ついて試験を実施しています。 放射能測定については、引き続き本庁各課と連携し多くの食品や環境の調査を行い、調査（検 査）結果は、県や当所のホームページに掲載しています。 そして調査研究は、当所の中期計画の方針として主要 4 項目①感染症の監視と予防②食品と 医薬品の安全・安心③くらしの安全・安心④健康増進と疾病予防 ・未病の改善を設定して、当 所の取り組むべき活動の方向及び対象を明確にし、KAST （神奈川科学技術アカデミー）、大学、 理化学研究所、県の他研究機関等と連携して、社会情勢の変化や時代のニーズに見合ったもの とし、県民に直接役立つ視点を重視して行っています。 こうした中で当所は、開かれた試験研究機関として、施設公開、公開セミナー、専門職等を 対象と したさまざまな研修及び国際協力の一環として海外研修生の受入れ等を実施 し、県民に 最新の情報を提供するための出前講座やホームページの充実も図っています。 今後とも県民の皆様に親しまれ、頼りにされる研究機関となるよう、より一層の努力を重ね ていきたいと考えています。この年報が当所に対するご理解を深めていただ く機会となり、少 しでもお役に立てれば幸いです。 平成 28 年 8 月 神奈川県衛生研究所長 髙 崎 智 彦 目 次 まえがき 目 次 1 沿革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 機構 (1) 現員配置表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (2) 組織別職員表