第30回木星会议于高松障害学习センター2006年-月惑星研究会.doc

第３０回　木星会議　　於：高松市生涯学習センター　　　　　　　　　　　　　　　　　２００６年９月９日 １　挨拶　（瀧本） ２　小島さんから歓迎の挨拶　(四国天文協会顧問) 　　　　　３０回の記念会議が高松で行われることに光栄に思っている。 　　　　　東亜天文学会５０年で表彰してもらった。高校時分に入会して、それ以来天界は全部ある。 　　　　　１９５１年の天文年鑑?天文ガイドの創刊号?天文と気象創刊号を手にしながら入会した当時のいきさつを語られた。本職は流星だが、今日は楽しみにしている。 ３　自己紹介　(全部で３８名) 　　　　　中島　健介先生　(九州大学)　特別講演 　　　　　佐藤　　健　（元　東亜天文学会木星土星課長） 　　　　　平林　　勇　（元　東亜天文学会木星土星課長） 　　　　　堀川　邦昭　（現　東亜天文学会木星土星課長） 　　　　　四国天文協会所属の人が１２名　　　　　注意　：　所属は重複しているものがある 　　　　　月惑星研究会所属は１７名 　　　　　東亜天文学会所属の人は１１名 　　　　　大学生は一人のみ。 ４　パネルディスカッション　「惑星観測の楽しみ」 　　　　　メンバー　コーディネーター　平林会長　(東亜天文学会?月惑星研究会) 　　　　　　　　　　　　　森下　陽子　(四国天文協会） 　　　　　　　　　　　　　香西　清弘　(四国天文協会） 　　　　　　　　　　　　　安達　　誠　(東亜天文学会?月惑星研究会） 　　　　　　　　　　　　　永長　英夫　(月惑星研究会） 　　　平林会長のコーディネーターで行われた。最初は四国天文協会の二人の方々からの質問に応えるかたちで始まった。 　　　　○　話題の順序 　　　　　初心者が見るときにどんな望遠鏡が適当か。 　　　　　　　　口径が必要。倍率が必要。惑星を見るのには適当な望遠鏡が必要 　　　　　　　　光学系の調整が重要だ。 　　　　　望遠鏡の工夫 　　　　　　　　撮像のためには、それなりの工夫が必要になる。望遠鏡は専用の望遠鏡として作っている。 　　　　　惑星を見て楽しかったこと?印象に残った現象 　　　　　　　　高松市の２５ｃｍ屈折望遠鏡は非常に良く見えた。特に気流の良いとき、３０分間で模様が変化する様子を観察することもできた。めったにない現象で印象に強く残っている。（安達　） 　　　　　惑星観測の心得 　　　　　　　努力することが大切だ。家庭を大切にすることも大切だ。 ５　記念講演 　　　　　「木星大気の力学」 　　　　　　　　?????　雷雲?縞帯構造?渦??????? 　　　講師　：　九州大学理学研究院　　地球惑星科学部門　 　　　　　　　　　　　　中島　健介　先生 　＜講演記録＞ ○探査機による観測事実?縞帯?渦?雷雲??? 　　　カッシーニの動画から、雷雲の所在を確認。雷雲のガリレオ画像で、存在が決定的になった。夜の部分にも撮影された。３０００ｋｍから４０００ｋｍくらいの厚さの中で起こっている。 ○木星大気の「謎」 　　　どの深さまで起こっているのか、何が駆動しているのか。熱か力かの二つの説があるが、最近は力が有力な方向にある。 ○木星全体の構造 　　　中心から表層までの大気構造を示す。雲の対流は０．３Ｂａｒから５Ｂａｒまで。１ＫＢａｒまでは熱対流の起こっている領域。しかし、本当のことは良くわかっていない。 ○雷雲が作る大気の鉛直構造 　　　グラフから解説。温度構造と圧力の関係から化学変化を考察するとグラフが作れる。 　　　雷雲は下層から上昇してガス（大気）の層を破り、水蒸気の層から上に昇ってくるものがある。 　　　ガリレオプローブは、はっきりした成果を上げることができなかった。ピンポイントではガスの状態を 代表することはできない。代表したデータを得るにはモーレツにたくさんのプローブを落とす必要が あるだろう。 ○対流圏の計算機シュミレーション 　　　雲のできはじめの種（たね）になるものを設定して長い時間かけて計算する。対流構造は二階建て の構造に出来上がる。水蒸気を含むと重くなり、下層におりて行く。 　木星には地面がない。かといって、全体が一体となって回るのではない。 ○雷雲と縞?帯構造の「共生」関係 　　　３０年位前からわかってきた。ＧＲＳ前方擾乱領域やＮＥＢなど暗いベルトにできている。暗いベルトと関連があるだろう。それには縞のところでできやすくなる理由があるのだろう。風の領域で見てみると、低気圧性の風になる。（カッシーニの観測） ○縞?帯構造の「熱起源説」 　　　ベルトは下降領域となっていた。帯のところは上昇気流と考えられていた。そこにコリオリの力が働 いてフェストーンの方向に曲がるようになる。これだと、ベルトは下降気流なのに雷雲（上昇気流）が 起こる