第3章静止流体力学.PDF

第３章 静止流体力学 - 53 - 第３章 静止流体力学 この章では流体が静止している場合について、流体の高さと圧力の関係、流 体が壁面におよぼす力、流体の圧力が等しい等圧力面の考え方などを、力のつ りあいを基本として総合的に学ぶ。 3.1 重力場で静止した流体の圧力 まず、流体の密度 が一定である非圧縮性流体が静止している場合について、  力のつりあいの考え方から、静止流体の基礎方程式を導いてみる。 3.1.1 静水圧基礎方程式の導出 流体は図3.1 に示されるように重力場中で静止しており、その高さが地表面z から 離れた微小液柱を考える。ここで、微小液柱の高さ方向の座標軸を と dz z し、重力は 軸に対して（マイナス）方向に働くものとする。 z 圧力P 1 z 断面積A 微小円筒高さｄｚ 下向きに働く重力 P f (z ) P P dz ｆ（z+dz) 1 P P ρ ｇAdz ｆ（ｚ） 2 z ｄｚ z 圧力P 2 断面積A z ｘ 図3.1 静止流体の圧力     図3.1 に示した微小液柱の上面 z dz および下面 の圧力をそれぞれ 、 z P P 1 2 とし、微小液柱断面積を とすれば、力のつりあい式はつぎのようになる。 A P A gAdz P A （3.1） 1 2 - 54 - ここで、微小液柱上面の圧力 はTaylor の定理f (z dz) f (z) f (z)dz から P 1 dP P P  dz （3.2） 1 2 dz と表すことができる。したがって、上面z dzの圧力 へ、この関係式（