燃料协会志-J-STAGEJournals.PDF

燃 料 協 會 誌 第20巻 第223號 昭和16年4月 報 文及資料 褐炭を原料 とす る高級固體燃料製造試験(第2報) ―硬化炭(木炭代用晶)の製造試験― 満鐵中央試瞼所 燃料課長 工學博士 阿 部 良 之 助 満鐵中央試験所燃料課 石炭研究室 理學博士 森 川 清 滿洲炭礦株式會藤 遣員 石 黒 正 目 次 〔1〕　緒 論 (1)　硬化炭製造法の要領 〔II〕　試料褐炭 の低温熱塵理性状 (2)　硬化炭性状に及 ぼす粒度 の影響 (1)　熱分解 カス發生 曲線の決定 (3)　硬化炭性状 に及ぼす熱處理温度 (2)　熱分解生成物に及 ほす熱處理温 の影響 度の影響 (4)　硬化工程 に及ぼす成形炭表面状 (3)　塊状褐炭 の低温熱處理試験 態 の影響 皿〔〕　低温熱處理炭 を原料 とす る無粘結 (5)　硬化炭性状 に及 ぼす加熱速度竝 劑煉炭 の製造試験 に水分含量の影響 (1)　試験方法 の要領 (6)　硬化炭 の性状 (2)　試験結果及び其 の吟味 〔v〕　結 論 〔IV〕　硬化炭の製造試験 〔I〕　緒 論 北滿の札賚諸爾褐炭 を原料 として行つた無粘結剤煉炭及ぴ夕ール入 り煉炭の製造試験に就て 記載 した第1報 の結果 によれは,該煉炭は固體燃料 として十分なる強度 を有す るか,耐風化性 及び耐水性 を缺 く憾みかあつた。而 して其の原因ば褐炭特有の親水膠質性に基 くもの と考へ ら れ るか,斯 くの如 き褐炭か ら親水膠質性 を完全 に排除す る爲 には其の炭化度 を進 め,褐炭炭質 を變化 させ ることか必要てあると思考 され る。 322 燃 料 協 會 第20巻 第223號 本報は第1報 の如 き褐炭の 品質改良試験 より一歩 を進 め,札賚諾爾褐炭 に低温熱處理 を施 し,其の炭化度 を増進せ しめることによつて高級 固體燃料 を製造せん と企圖 して行つた試験結 果 を記載す るものてある。 而 して低湿熱處理 によつて高級 固體燃料 を製造せん とす る場合 に は,次 の3方法が考慮 され よう。即ち第一に塊状褐炭 に直接低温熱處理 を施 して塊状半成 コー クスを製造する方法,第 二に褐炭 を低温熱處理 して得 られ る細粒状の半成 コークスを原料 とし て無粘剤煉炭 を製造す る方法,第 三に褐炭 より得 られ る無粘結剤煉炭 に低温熱處理 を施 して煉 炭半成 コークスを製造す る方法の3方法てある。 此の うち第一法の褐炭の直接低温熱處理 によつては,今 日の ところ良好 な塊状半成 コークス を製造することは極 めて困難てあるとされてゐる。其の原因は褐炭の水分含量か著 しく多いの と褐炭は非粘結性てあることとに歸せ られ る。從つて筆者等 は第一法 よりも第二法或は第三法 に期待 を抱 き,第一法によつては良好 な塊状半成 コークスを製造す ることよりも,寧ろ札賚諾 爾褐炭の低温熱處理性状 を明かにせん と考へた。以下其の試験結果 を記述 しよう。