小石川植物园后援会.PDFVIP

2003年10月 小石川植物園後援会 目次 講演会を終えて 下園 文雄1 日光からの春便り 柴田 久仁子6 小石川植物園の散歩道 長田 敏行　7 連載 世界の植物園第2回: エジンバラ植物園 Gregory Kenicer 9 会長挨拶並びに事業報告 安楽 泰宏12 表紙の解説　表紙の解説　 ムニンフトモモ　Meterosideros boninensis (Hayata ex Koidz.) Tuyama （フトモモ科） 　 ムニンフトモモは小笠原の父島、兄島に生息するフトモモ科の固有植物。ムニンフ トモモ属は南半球や太平洋諸島に約40種が知られているが、本種の分布は北限地とし て有名。戦後小笠原が返還された当初は父島に数株しかないとされ、東大植物園で増 殖して植え戻しを行っていたが、その後の調査で300株以上生育していることが明ら かとなり、植え戻しは中止した。花の色（雄蕊）が小笠原の植物にしては珍しい真紅 で美しいことから、父島の街路樹や緑化樹に用いたら良いと思うが、空中湿度が高 く、土壌の湿った沢地を好むため栽培が困難。（写真と解説：下園文雄） 植物園便り：小石川植物園便り：小石川 説した「梅の花だより」8頁を500部、印刷費だ 講演会を終えて け出してもらいホッチキスで製本し、一部100円 で頒布したところ、好評でたちまち完売したの 下園文雄 です。気をよくして、次に「桜の花だより」を 「小石川植物園後援会主催市民セミナー」と 2000部作り、これも完売でした。一人では大変 「植物園主催退官記念講演会」の共催という形 だろうということで「社会教育企画委員会」を で、「絶滅危惧種の保全—楽しかった42年間の 設置していただき次々と花だより集ができてい 小石川植物園の仕事」というタイトルの講演会 きました。これが現在の「春夏秋冬花だより を東大理学部2号館講堂にて平成15年3月8日 集」の原型です。費用も大分たまり、古谷先生 （木）13時～15時に企画・開催していただきま は「後援会を作らなければこのような事業は続 した。当初は、70名位お集まりいただければと けられない」ことから植物学教室のOBの先生方 思っていましたが、230余名の大勢の方々にお集 に呼びかけて1981年に「小石川植物園後援会」 まりいただき、熱心に耳を傾けてくださり、私 が発足したのです。 にとって人生最上の喜びでありました。その時 次にボランティア制度の導入についてお話し の話の要旨を次に報告させていただきます。 ます。公務員の定員削減によって小石川植物園 の技官の定員は、昭和40年代には16名だったの 略歴　1960（昭和35）年3月、鹿児島県立南大 が、平成8年には6名になってしまいました。こ 隈高校を卒業して同年4月に小石川植物園に臨時 の人数で園内の維持管理を行うのは大変なこと 職員として就職いたしました。翌年5月に技術職