合并号-群马県产业支援机构.pdfVIP

財団法人　群馬県産業支援機構 2010 2 3 合併号 INDEX ■ 特集　「見た目至上主義からの脱却」・・・・・・・・・・・ １ ■ トピックス　平成21年度「グッドデザインぐんま」選定商品決定・・・・・・・・・・・ ３ ■ 企業ルポ　株式会社松村機械製作所・・・・・・・・・・・ ５ ■ ここに注目！！　地域のこの企業　株式会社光佐・・・・・・・・・・・ ７ 株式会社コンタクト・・・・・・・・・・・ ８ 有限会社フォルム・・・・・・・・・・・ ９ 株式会社アパートメント・・・・・・・・・・・10 ■ 群馬県・（財）群馬県産業支援機構施策活用ガイド・・・・・・・・・・・ 11 ■ 経営者のＩＴ事始め・・・・・・・・・・・12 ■ 受・発注ニュース・・・・・・・・・・・13 横井　幸一郎 　2008年後半からさまざまなことが変化し、経済や社会の仕組みのマイナス面も表面化した。 　企業の舵取りをする社長に目をむけると群馬県内の社長の平均年齢は59歳を超え、オーナー企業の場合、 後継者へのバトンタッチという大きな変化が待ち受けている。また大手企業を筆頭に経済界の再編は確実に 進んでおり、これまでに築かれたビジネスモデルや取引環境はスピードを上げて変化している。モラトリア ムを横目に世の中は変わり続けているのである。 　変化への対応を判断するうえで今回、成長企業を経営破たんに追い込んだ３つのポイントについて実際の 事例をあげて考察する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　■　取引が１社に集中　（取引額が年商の40％以上） 　■　売り上げが急増　（安易な出店攻勢） 　■　人材育成が不完全　（変化に弱い組織） 　 ■能力を超えた取引拡大 　Ａ社（卸売業）は2000年以降、急激に業容を拡大した。５年程で年商が３倍になる大躍進であった。しかし 経営に行きづまり自主再建を断念、同業者の支援のもと会社分割による事業再生に着手した。 　Ａ社は大手企業との取引拡大に力を注ぎ、取引ウエイトが年商の６割ほどに達した年には過去最高の年売 上高を計上。業界内で存在感を増していた。一方、利益は売上高に連動しなかった。財務を分析すると棚卸 資産、売上債権、買入債務のいずれの回転期間も数値は悪化。フリーキャッシュフローは４年以上マイナス が続き、それを補填するために金融機関からの借入金が膨らむという悪循環になっていた。また従業員のス キルや質の向上が事業拡大のスピードに追いつかなかったことも経営破たんの原因に挙げられる。県外に新 設した営業所において管理職の育成が不十分であったため経費に見合う売り上げをあげられず、経営効率の 悪化とともに収支ひっ迫の要因となっていた。このように大手企業との取引を錦の御旗にかかげたビジネス モデルは崩壊した。“ 値引き ” 以外で特徴を打ち出せず、地場の中小企業が大手企業にのみ込まれてしまっ たともいえよう。 ■安易な出店攻勢 　売り上げ急増後の経営破たんは無理な店舗展開をした企業でも散見される。08年頃まで大型ＳＣ（ショッ ピングセンター）は全国各地で続