学校给食の今と昔.doc

学校給食の今と昔 目次 １．概説 ２．学校給食の歴史と変遷 ２．１．学校給食のルーツ ２．２．戦後は教育活動の一つ発展 ２．２．１学校給食の発展を順に記録 ２．３．メニューの変化 ２．４．学校給食法学校給食というのは、学校で供される給食である。日本における学校給食は、基本的に下は幼稚園から小学校を経て、中学校までが一般的で、ほかに定時制（主に夜間）高等学校で給食が提供されている。近年、一部全日制高等学校においても給食が開始されはじめているが、ただし、全日制高等学校などでの給食は学校給食法上の「学校給食」ではない。 ２．学校給食の歴史と変遷 学校給食は、子どもたちにとってなにより楽しみな時間である。おとなにとっても、人それぞれに思い出のある懐かしい時間である。世界で最初に給食が行われたのは１７２０年のフランスのとされ、ある私立学校で給食が出されたという記録が残っている。日本の給食元年は１８８９（明治２２）年である。以来学校給食は、歴史や食事情などの移り変わりとともに、さまざまに変化してきた。 ２．１．学校給食のルーツ 日本で初めて学校給食が行われたのは、１８８９（明治２２）年、山形県鶴岡市の小学校でのことである。このときの献立はおにぎりと焼き魚、漬け物で、貧困のために弁当を持参できない子どもたちのために用意されたものであった。現在その小学校の跡地には、「学校給食発祥の地」の記念碑が建てられている。ヨーロッパでも１９世紀に給食が広まったのは貧しい子どもたちを救済するためであったが、日本でも初期の給食の目的は貧困対策であった。１９３０年代に入ると学校給食臨時施設法が制定され、一部とはいえ学校給食が実施されるようになったが、１９４０年代に入ると食糧事情悪化の為に中断された。 ２．２．戦後は教育活動の一つ発展 戦後、アメリカや外国からの食料援助によって、児童の欠食対策として徐々に給食は再開されて、１９５２年あたりからは食糧事情の改善により全国的に完全給食を実施することが可能となり、同時に給食の目的は「欠食児童対策」から「教育の一環」と位置づけられ、また「学校給食法」が制定され財政力の弱い地方自治体でも交付税と補助金によって全児童への完全給食が可能となり、現在の体制が構築された。 アメリカでは、１９３０年代より余剰作物の有効活用として学校給食の援助がスタートした。敗戦後の給食は、第二次世界大戦後のアメリカのヨーロッパに対する支援が一段落し、溢れるアメリカの農畜産業の余剰生産物のはけ口として日本の学校給食に目を向けた。学校給食は、極端な米食重視だった日本人の食生活を大幅に変容させ、日本にパンや乳製品の消費が定着する一因ともなった。 ２．２．１学校給食の発展を順に記録 １８８９年（明治２２年）、山形県鶴岡町私立忠愛小学校で貧困児童を対象にして、昼食を与えたのが学校給食の始まりと言われている。忠愛小学校での給食は、現在の学校給食のように、学校で調理された食事を教室で給したものであった。当時の給食は、おにぎりけ物であった。岡山県小田郡小田小学校で給食をはじめる。東京府では、私立栄養研究所佐伯所長の援助をうけて、管内小学校にパンによる学校給食を実施した。学校衛生技師会議の文部大臣諮問事項の対する答申に「学校給食ノ実施ヲ促スコト」とだされる。６大都市の小学生児童約２００万人に対して、米。文部後の新しい学校給食がスタートした。東京。全国都市の児童約３００万人に対し学校給食を開始した。アメリカから無償で与えられた脱脂粉乳で給食が始まった。１９４９年（昭和２４年）、ユニセフ（国連児童基金）から脱脂粉乳が贈られユニセフ給食が行われた。１９５０年（昭和２５年）、８大都市の小学生児童に対して、アメリカ寄贈の小麦粉によりはじめて完全給食を開始した。国庫補助による学校給食の継続を要望する運動が全国で繰り広げられた。４月から、全国すべての小学校を対象に完全給食が実施された。１９５４年（昭和２９年）、第１９国会で「学校給食法」成立、公布された。学校給食法施行令、施行規則、実施基準等が定められ、法的に学校給食の実施体制が整った。これまでと違い、食事についての正しい理解や望ましい習慣をはぐくむと同時に、学校生活を豊かにして、明るい社交性を養う。など、学校給食を教育の一環としてとらえていくことになった。１９５６年（昭和３１年）、学校給食法一部改正。中学校にも適用されるようになった。「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」が公布された。 文部省管理局長より「学校給食用牛乳取扱要領」が通知され、学校給食に牛乳が供給されるようになった。学習指導要領ができ初めて学校給食を学校行事としてあつかわれる。 脱脂粉乳に対する国庫補助が実現し、ミルク給食の全面実施が推進された