Title ニット×加工技术 Author(s) 高岛, 瑞枝; 栉下町, 伸一 Citation 文化 .PDFVIP

Titleニット×加工技術 Author(s)高嶋, 瑞枝; 櫛下町, 伸一 文化ファッション大学院大学ファッションビジネス研究 Citation 1(2011-03) pp.68-75 Issue Date2011-03-10 URL /10457/1153 Rights http://dspace.bunka.ac.jp/dspace ニット×加工技術 Knit XProcessing BunkaFashionGraduateUniversity 文化ファッション大学院大学 Mizue Takashima 助手高嶋瑞校 Shinichi Kushigemachi 教授 櫛下町伸一 要旨.今日、ニット素材はアパレノレ業界において重要性を増している。ホールガーメント が主流となり量産テクノロジーの進歩がニットのイメージや価値を変えてきている。しか し、ニット本来の自由な創造性や工芸的な味わいは自動編機で出すことは難しい。新しい デザインを生むには、糸や生地の特性・機械編み・手編みの技術を把握したうえで、アナ ログ的な捺染の手法を織り交ぜるなど新たな試みが必要だと考える。本稿では産地とのコ ラボレーションで制作した作品をもとに、ニットの定義、様々な加工技術の概要、そして 実物製作の考察を述べるo 1.はじめに だけでなく感性をアピールする為、株式会 技術・品質・感性ともに世界でも最高水 社久山染工と後藤毛織株式会社の協賛のも 準を誇る“日本のモノ作りは、ファスト と、「こだわりのテキスタイノレ」の提供を受 ファッションとよばれる、流行を採り入れ け2体の実物製作を行った。 つつ低価格に抑えた衣料品の大量生産・大 本大学院 2年次修了制作で、コンピュー 量販売というビジネス形態の拡大、また、 タニットによるオリジナルニット地での製 それによる消費者ニーズの変化から、今、 作において、ニットにしか出せないボリュ 国内の産地は製造業の在り方を問われてい ーム感と複雑なブオルムに関心を持ち、可 る。 能性を感じていた。また、加工技術にも興 日本国内のニット製品製造業は、東アジ 味を持ち、シノレタスクリーンプリントを研 ア諸国、中国からの輸入の急増により、ニ 究した。この事から今回の製作ではニット ット製品の輸入率が95%、つまり、国産は 素材にシルクスクローンプリントを組み合 5%と輸入製品に国内市場を奪われるとい わせた実物製作を試みた。両者とも歴史が う、極めて厳しい状況であることがわかる。 深くアナログ的な手法ではあるが、機械に このような時代、これからの商品企画に はできない手作業のあたたかさが作品に深 はニットアパレルメーカー(問屋)と生産 みを与える。 企業(ニット工場)の知恵やテクニックを 本稿では、前提としてニットとは何か考 織り交ぜ、今まで以上に強靭な関係を築き