新古今集羇旅巻の補入歌
――「夕暮の旅愁」を視点に――
金中
はじめに
夕暮は旅人にとって、孤独感や望郷の念の募る特別な時間である。八代集の中では、特に新古今集において「夕暮の旅愁」が多く詠まれている。一方、同じ新古今集の羇旅巻には、補入歌が高い比率を占めていることも注目されている。本稿は、これらの補入歌の意図を「夕暮との関連」という新たな視点から探り、新古今集の当代歌人が夕暮の美学を重視する傾向にあったことの一側面を示すものである。
一 新古今集羇旅巻の補入歌とその周辺
新古今集の編纂は、建仁元(1201)年十一月三日に後鳥羽院の下命を受けて始まり、元久二(1205)年三月二十六日の「」を以って一応完成した。しかし、その後「」の作業が延々と行われ、一部の歌が補入されている。新古今集の伝本には、各撰者が建仁三(1203)年四月頃奏覧した撰歌を示す「」と呼ばれる略号が付してあるので、新古今集の入集歌のうち、建仁三年四月以降の詠作、及び建仁三年四月以前の詠作であるが、「撰者注記」がないものは、補入歌である可能性が考えられる。補入歌には後鳥羽院を始め、撰者たちの編集の意図が反映され、新古今集の特質を考える上で極めて示唆的である。注1
新古今集の羇旅巻に補入歌が
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