０２．GDPはどう測るのか.ppt

* 　経済統計に登場するさまざまな数字は，フローの数字とストックの数字のいずれかに分類されます。クリック 経済活動の活発さは、１ヶ月に何台の自動車を生産するか、１日に何個のハンバーガーを作るか、というように、フローの概念です。フローの数字というのは，ある一定の期間をとって，その期間内での値を計測して求められます。クリック GDPもフローの数字です。GDPは，１年間とか，3ヶ月といった期間をとって，その期間内での生産額を測ったものであったことを思い出しましょう。クリック 一方、経済活動の結果として、資産がどれくらい貯まったか、というのは、ストックの概念です。クリック ストックの数字は，期間ではなく，ある瞬間において計測できる値です。クリック 例えば，20XX年4月1日において保有されている資産（金融資産や固定資産）の残高などがストックの数字にあたります。クリック もう少し身近な例として，銀行などへの預貯金を取り上げてみましょう。皆さんはいろんなタイミングで銀行口座からお金を引き出したり，逆にお金を預け入れたりしていると思います。引出額や預入額は，例えばある1ヶ月間など，期間を区切って計らなければならないフローの数字です。一方，預貯金の残高は日々変動するので，例えば月末での預金残高，といった形である一時点で切り取って測らなければならないストックの数字です。　経済学では、フローとストックの区別が重要です。クリック ここでは、経済の活発さはフローの概念であるという点を覚えておいてください。 　 * 　このように，生産活動によって生み出される価値は生産額に反映され，一国全体では国内総生産，GDPとして集計されます。しかしながら，生産活動の裏側では，価値の目減りも生じています。クリック 例えば工業製品を作るためには，工場の建物や、工作機械などが必要です。クリック これらは、製品を作っている間にも、風雨にさらされたり、生産に使用されたりすることで、徐々に痛んでいき，その価値は失われていきます。　工場の建物や、工作機械などは，正式には資本ストックと呼ばれます。名前の通り，資本ストックはストック変数です。したがって，例えば2005年4月1日時点での資本ストック額，といったように，ある一時点において測れる数字です。一定期間中に，これら資本ストックの価値がどれだけ減少したかを測ることができます。クリック その額を、固定資本減耗といいます。例えば，去年の4月1日時点に存在した資本ストックを金額に直したもの（資本ストックの価値）が，今年の4月1日時点でいくらの価値になったか，その差をとることで，その一年間に資本ストックの価値がどれだけ減少したかを図ることができます。 [次の項目へ進む] * 　GDPは、期間中に生み出された付加価値の合計です。クリック しかし、その同じ期間中に固定資本減耗分だけ、価値が失われています。クリック そこで、GDPから固定資本減耗を引くことで、期間中に、正味で、生産された付加価値の合計を知ることができます。クリック これを国内純生産とよびます。英語では、Net Domestic Productといい、略してNDP（エヌディーピー）とよびます。ただし、実際には、固定資本減耗を正確に知ることは難しいので、経済活動の活発さを測る指標として、GDPとNDPの両方が用いられています。 [次の項目へ進む] * 　今回は、国内総生産，GDPを中心に国民経済計算について説明しました。 クリック 経済活動の活発さを表すGDPは、フローの概念であり、基本的には、市場で取引される財やサービスを計算に算入します。　そして、GDPとは、国内で、一定期間中に、生み出された付加価値の合計です。そして，付加価値とは、生産額から原材料費を除いたものです。　また、GDPには実質GDPと名目GDPがあり，異なる年の経済状態の大きさを比較するためには，実質GDPを使わなければならないということも心にとめておきましょう。 第2回　GDPはどう測るのか 国内総生産（Gross Domestic Product) ＝一定の期間に国内で生産された 　　付加価値の合計 ＝一定の期間に国内で生産された 　　最終生産物の生産額の合計 中間投入財 原材料として使われなかった生産物 ∥ 原材料費(小麦粉) 原材料費(小麦) 付加価値 パンの産出額 小麦粉の産出額 小麦の産出額 原材料費ゼロ 付加価値 付加価値(小麦) 市場で取引されたもの GDPに算入 市場で取引されないもの 国内で生産された財?サービス 　算入しない 例：家政婦による家事労働 例：家族による家事労働 GDP算入の例外 １．政府が提供する行政サービス ２．農家の自家消費 ３．