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目 次 Ⅰ 序 論 ３頁 Ⅱ 本 論 １．総 説 ４頁 ２．｢ハ行｣について ７頁 Ⅲ １．結 論 ２８頁 ２．付 言 ２９頁 ３．参考文献 ２９頁 日本語の擬声語と擬態語に関する一考察 Ⅰ 序 論 擬声語と擬態語は何でしょうか。擬声語というのは ｢音や声をまねて表わした言葉｣のこと で、擬音語とも言われます。(新明解国語辞典)擬態語とは ｢耳ぶり、状態の感じを表わし て作った言葉｣のことです。( 同上)笑い声、泣き声、小鳥の美しい鳴き声など。そして人 類を含む生物、非生物及び自然界の物事、現象、変化などいろいろな状態と様子を目に触 れます。その音や状態をそれらしく表わすとき、擬声語と擬態語がつねづね聴覚、視覚で 人に明晰で深い印象を与えることができ、また擬声語と擬態語はイントネーションをより 形象化、具体化させ、言葉を生き生きさせることができます。例えば： どこで生まれたかとんと見当がつかぬ、なんでも薄暗いじめじめした所でニャ－ニャ－泣 いている事だけは記憶している。――夏目漱石『吾輩は猫である』 例文中の ｢じめじめ｣は状態を直接にまねる擬態語で｢ニャ－ニャ－｣は擬声語です。この二 つの言葉がなければこのセンテンスもまるで何の味もないお湯のようになってしまいま す。 確かに擬声語と擬態語は日本語の中で豊かであるとともに使用率もけっこう高い言葉で す。この点では世界のほかの言語とも比べ物になりません。日本人は｢汗だく｣という言葉 から汗でびっしょりぬれる様子を間違いなく直感できます。｢汗が止めどなく流れ出る｣ という長いセンテンスから｢汗だくだく｣になって、最後｢汗だく｣という３字しかなく短い 言葉になっても、意味ははっきりしていて少しも変わりません。だから、日本人は擬声語 と擬態語を直感、語感で味わえるといっても言い過ぎではありません。これは中国人が｢淙 淙｣「琅琅」という字を見たら、すぐ流れ声と読み声を想像できるとは同じだと思います。 それで、日本語の擬声語擬態語が以上のように重要な役割を担っていることも知って、擬 声語、擬態語を研究対象にしょうと思いました。もちろん、擬声語、擬態語は数えられな いほど多くて、すべてを研究するのは困難かつ不可能なので、一応その無限の擬声語、擬 態語の中の一部を抜き出して、研究しようと思いました。また、意外なことに一つの現象 を発見しました。 それは、日本語の擬声語、擬態語の中で半濁音あるいは濁音をつけると表わす意味やニュ アンスはちがってくるということです。それでは、こういう同じ語幹の擬声語、擬態語は いったいどういう関係を持っているのでしょうか。意味やニュアンスのちがいというのは いったいどのように変わっているのでしょうか。こういう疑問を持ちながら、私は研究範 囲を「カ」 「サ」「タ」「ハ」行の濁音、半濁音を持っている擬声語と擬態語にしぼって、 いろいろ研究して、ここで一つの愚見を発表したいと思います。 それは、普通に言えば、同じ擬声語、擬態語は半濁音をつけると表わす程度が清音より強 くなり；濁音をつけるともっと強くなり、そして、ちょっとマイナスな気持ちさせられる ということです Ⅱ 本 論 １．総 説 擬声語と擬態語は、たいへん感覚的な言葉です。字と音のイメージが結び付けられて、固 い音、軽い音、柔らかい音など、それぞれの個性が感じ取らされます。濁音あるいは半濁 音をつけられる擬声語と擬態語を研究対象にするのはつまり清音の カ 行： か き く け こ サ 行： さ し す せ そ タ 行： た ち つ て と ハ 行： は ひ ふ へ ほ というかなを持っている擬声語と擬態語のことを指します。「゛」濁点がつくと、強めら れて重く濁った響きに変化します。私はこの発見にかりたてられて、『新明解国語辞典』 を参考にしながら、手元にある『音とイメージで楽しく覚える擬声語擬態語』を読んだ後、 違う場合の ｢か｣｢さ｣｢た｣｢は｣行の擬声語、擬態語をできるかぎり集めてきました。 (1) はなす ぺらぺら：～語がぺらぺら[＝じょうず]●山田さんは英語もフランス語もぺらぺらなんで すよ！ べらべら：｢゛｣がつくと、悪い意味になります。うるさい、汚い、いやな感じ●池田さ んは、秘密でもなんでもべらべらしゃべってしまう。 (2) 仕事をする だらだら：早くできるのに長い時間かけている様子 、やる気がない；油などがたてる様 子いつまでも続く 悪いイメージ 補充：『新明解国語辞典』７９６頁 たらたら：①液体が続けざまに滴り落ち、止まらないことを表わす。 ②い