収澀薬分析.ppt

第二十五章収澀薬 第１節固表止汗薬  第２節斂肺澀腸薬 第３節固精縮尿止帯薬 【説明】 山茱萸は山萸肉、棗皮とも呼ばれる。性は斂で温に偏しており、肝腎の精血を補するだけではなく、温腎助陽をはかることもできるため、肝腎不足によって引き起こされた遺精、滑泄、小便不禁、虚汗不止などに対する標本兼固の作用を持っている。また実験によると、本品はインビトロで腹水癌を殺すという。 山茱萸と熟地黄はどちらも補益肝腎の作用を持ち、肝腎精血不足証によく使用されるが、異なる点もある。山茱萸は補陰するだけではなく助陽の作用も持ち、腎の陰陽虧損、閉蔵失職、あるいは陰不斂陽、陽気欲脱の証など、いずれにも使用することができる。熟地黄の補益精血の力は山茱萸より強いものの助陽の効能はなく、収斂の性も乏しい。 【説明】 黄宮綉は烏梅について「肺に入って収斂し、腸に入って澀腸し、筋骨に入って軟らげ、虫に入って伏し、死肌悪肉悪痣に入って取り除き、肉中に刺入したものを抜く」と述べている。本品は春梅、梅実とも呼ばれる。 烏梅は収歛作用の他に悪肉を去る作用も持つ。烏梅（種子を除いて炒炭する）と僵蚕（黄色みを帯びるまで軽く炒する）各248gを粉末にし、煉蜜500gと共に丸薬にする。毎回6g、毎日3回服用したところ、直腸や膣のポリープに一定の効果があったという報告がある。 3、五倍子　ごばいし 【性味】酸、澀、寒 【帰経】肺、大腸、腎 【効能】 1.斂肺降火 2.澀腸止瀉 3.固精止遺 4.斂汗止血 【応用】 1.咳嗽：肺虚または肺熱によるもの 2.久瀉、久痢 3.遺精、滑精 4.自汗、盗汗 5.崩漏、血便、痔出血 【用量】3～9g 【禁忌】湿熱瀉痢の者には禁忌である。 【配伍】 1.五味子?罌粟殻を加える：肺虚による慢性の咳 2.瓜蔞?黄芩?貝母を加える：肺熱による咳嗽 3.訶子?五味子を加える：慢性の下痢 4.竜骨?茯苓を加える：遺精、滑精 5.棕櫚炭?血余炭を加える：崩漏 6.槐花?地楡を加える：血便、痔出血 【処方】 玉鎖丹 4、罌粟殻　おうぞくかく 【性味】酸、澀、平、有毒 【帰経】肺、大腸、腎 【効能】 1.澀腸止瀉 2.斂肺止咳 3.止痛 【応用】 1.久瀉、久痢 2.久咳：肺虚によるもの 3.胃痛、腹痛、筋骨の疼痛 【用量】 3～6g。止咳には蜜炙して、止瀉や止痛には酢炒して使用する。 【禁忌】 依存性があるため、常用には適していない。咳嗽や瀉痢の初期で邪実の者には禁忌である。 【配伍】 1.訶子?烏梅を加える：慢性の下痢 2.烏梅を加える：慢性の咳 【処方】小百労散 5、訶子　かし　Medicine Terminalia Fruit 【性味】苦、酸、澀、性平。 【帰経】肺、大腸。 【効能】 1.澀腸止瀉。 2.斂肺止咳。 3.清肺利咽開音。 【応用】 1.久瀉、久痢、脱肛。 2.肺虚喘咳。 3.久咳失音。 【用量】 3～9g。斂肺清火開音には生訶子、澀腸止瀉には煨訶子が適している。 【禁忌】 表に邪があって裏に湿熱積滞のある者、および咳嗽初期の者には禁忌である。 【配伍】 1.黄連?木香を加える：久痢腹痛で熱のある者。 2.乾姜を加える：虚寒による久瀉あるいは脱肛。 3.桔梗?甘草を加える：声が出ず、話すことができない。 4.杏仁?通草?乾姜を加える：久咳、声が出ない。 5.人参?五味子?蛤蚧を加える：肺虚喘咳、身体を動かす 　とすぐに呼吸が速くなる者。 6.青果を加える：開音作用を持ち、音唖を治療する。 【処方】 訶子散。 【説明】 訶子は訶藜、訶藜勒とも呼ばれ、澀腸止瀉の効能に下気消脹を兼ねている。証候の寒熱の違いにもとづき、適当な配伍を行うとよい。また訶子は清肺利咽開音と歛肺下気止咳の効能も持つため、失音を治療する場合には虚実を問わず、いずれにも配伍して使用することができる。 訶子と烏梅はどちらも酸澀収斂で、止咳止瀉の効能を持つ。ただし訶子が降火利咽開音の作用も兼ねているのに対し、烏梅は和胃生津?安蛔の効能も持っている。 6、石榴皮　せきりゅうひ　Pomegranate Rind Peel 【性味】酸、澀、温。 【帰経】胃、大腸。 【効能】 1.澀腸止瀉。 2.澀精止遺。 3.止帯。 4.蛔虫を殺虫する。 5.止血。 6.抑菌、抗インフルエンザウィルス。 【応用】 1.久瀉、久痢、脱肛。 2.蛔虫症。 3.遺精、早泄。 4.崩漏、帯下。 5.アメーバ赤痢。 【用量】 3～9g。外用には適量