犯罪心理になれよう 第20回 - 行動統計科学研究分野.pptVIP

犯罪心理になれよう第２０回 行動計量学研究分野 B3　植村菜穂子 　文献 女性犯罪　中谷瑾子　１９８７ 第１章総論　第２節　女性犯罪の原因 第３款　社会学的アプローチ 今日の内容 女性犯罪研究の２つの流れ 狭義の女性犯罪研究 逸脱の社会学からの女性犯罪研究 今回は「狭義の女性犯罪研究」を学説史的に見ていきます 女性犯罪研究の２つの流れ 狭義の女性犯罪研究 犯罪学、犯罪政策学を背景 常に男性犯罪の研究とパラレルに行われてきた 逸脱の社会学の側から １９５０年代アメリカ中心 アノミー論、ラベリング論、分化的接触理論、下位文化論、マルクス主義 狭義の女性犯罪研究 初期の研究 ロンブローゾ、鈴木券太郎 戦後の研究 ポラック、門上千恵子、広瀬勝世 ７０年代の研究 サイモン、アドラー 医学?生物学?心理学→よりマクロなフェミニズムの立場 初期の研究（生理学?心理学） 日本 鈴木券太郎「犯罪論及女性犯罪」（明治３８年） 欧米 パイク「英国の犯罪史I?II」（１８７６、イギリス） ウォーカー「The　Relations　of　Women　to　Crime」（１８７６） ロンブローゾ「女性犯罪」（１９００） アダム、ビショップなど パイク、ウォーカー パイク（L.O.Pike） 女性の犯罪率が低いのは 女性は（男性より）道徳的に優れている 従順である 攻撃的でない 肉体的に弱い 狡猾でない 女性が自立し社会に参加する機会を与えられる→社会的に訓練され、犯罪に関わる度合も増える ウォーカー（E.Warker） 女性の犯罪が少ないのは、犯罪への誘惑及び機会が少ないから（社会的条件） ロンブローゾ 医学の立場から犯罪者の身体的欠陥（頭蓋骨、脳、顔面等の奇形）に注目 女性犯罪者は男性犯罪者より生活態度が悪く、身体上も男性よりもはっきりとした特徴を持つ 斜視、曲がった鼻、引っ込んだ額等 苦痛に対して鈍く冷淡、嫉妬に狂いやすい 女性特有の属性（優しさ、母性、弱さ、知性の欠如）によって抑えられる 抑制を促進する条件が崩れた時には、男性とは比べ物にならないほど狂った女性の犯罪性が露呈される つづき 犯罪者の３類型 生来性犯罪人、機会犯罪人、社会的犯罪人 女性犯罪者には機会犯罪人が多い 男性にそそのかされる、誘惑の魔手（万引など） 非難されることが少ない 所有欲そのものよりも、異性に気に入られたいとする愛情欲から 女性が夫や愛人をそそのかす犯罪 なかなか白状しない 時にきわめて簡単に告白する←「秘密を守れない」特性のため アダム（H.Adam） ロンブローゾの女性犯罪者特有の性向に注目 それが環境条件と結びついた時に、女性らしい特徴により一層拍車がかかり、犯罪への道に陥りやすい 女性は良い面でも悪い面でも環境に左右されやすい 特に悪い環境に置かれた時、自己統制力や道義的責任感が欠如しているため、それに流されてあっという間に悪の道に陥る 統制の側も、主体性のない女性の犯罪性に対して寛容に取り扱う傾向にある 鈴木券太郎 犯罪人類学、犯罪心理学の立場から 女性犯人の身体的特徴を明らかにする 頭蓋、脳、身長、顔面、生活力、知覚等 ロンブローゾの説をそのまま紹介?解説 日本の女性犯罪人のデータに基づいたものではない 女性犯人の４類型 先天性、偶発性、欠私的理性、情熱性 それぞれの類型にあてはまる実例を、当時の新聞記事を用いて列挙←当時としては画期的 ビショップ（C.Bishop） 女性の解放が進むにつれて、女子非行、とりわけ万引や女性の武装強盗が必ず増える、と予言 彼の女性解放論 男と女がそれぞれの道において対等 他方の領分を侵すものではない 伝統的な女性の役割（主婦?母）の中での解放 →のちのフェミニズム犯罪学者の考えとは異なる 戦後の研究 日本 寺田精一「婦人と犯罪」１９４８ 門上千恵子（日本発の女性検事）、出射義夫「女性犯罪」１９５２ 欧米 O.ポラック「女性の犯罪」１９５０ 寺田精一 「婦人自身の犯罪」と「婦人に対する犯罪」を視野に入れる 婦人が男性と異なる事情、特質によって生じる犯罪現象 精神病学、社会学、心理学の立場から解明しようとする 犯罪の原因 究極的には、男女に関わらず「自己保存の欲求」と「生殖本能」にある 女性は特に「家庭生活」と微妙な形で結びつく それに恵まれるか否かで犯罪への危険性を説明できる 　O.ポラック 女性の犯罪率が男性と比べて低い理由 女性犯罪が罪種的に統計に現れにくい 両者の間にそれほど大きな差がない 女性の犯罪の隠蔽性 社会における女性の地位、役割（母親、主婦、病人の介護者等）と密接に関わる 女性が公的な場に登場しない分だけ犯罪も公になりにくい つづき 財産に対する犯罪 女性はおとりや共犯者など、背後に回る役を取りやすい 統制の