构成要件总说实行行为.DOC

- page \* MERGEFORMAT1 - 略語 大谷＝大谷實『刑法講義総論　新版第２版』（２００７年） 前田＝前田雅英『刑法総論講義　第４版』（２００６年） 西田＝西田典之『刑法総論』（２００６年） 井田＝井田良『刑法総論の理論構造』（２００５年） 井田?犯罪論＝『犯罪論の現在と目的的行為論』（１９９５年） 川端＝川端博『刑法総論講義　第２版』（２００６年） 町野＝町野朔『刑法総論講義案Ⅰ』（１９９６年） 松宮＝松宮孝明『刑法総論講義　第3版』（２００４年） 曽根＝曽根威彦『刑法の重要問題総論　第3版』（２００５年） 団藤＝団藤重光『刑法綱要総論　第3版』（１９９０年） 大塚＝大塚仁『刑法概説総論　第3版』（１９９７年） 藤木＝藤木英雄『刑法講義総論』（１９９７年） 第１　基本的構成要件論の全体像 　１　緒論 　　　　ここでは，犯罪の第１の要件である構成要件について学習する。そこで，まず，構成要件という概念自体について確認する。その後，構成要件とされる諸要素，つまり構成要件要素について個別的に検討する。 構成要件は，①客観的構成要件要素，②主観的構成要件要素に分かれる**　　　しかし，主観的構成要件要素を否定する見解もあるが，これを認めるのが通説であり，これは結果無価値論からも肯定される（前田55頁参照）。。客観構成要件においては，多数の概念がでてくるが，客観的構成要件で重要なのは構成要件的結果という用語，実行行為論? *　　　しかし，主観的構成要件要素を否定する見解もあるが，これを認めるのが通説であり，これは結果無価値論からも肯定される（前田55頁参照）。 分量が多いので，メリハリをつけることが重要であると考え，ある程度重要性などについて言及しておいた。なお，未遂犯論，間接正犯論，共犯論など客観的構成要件論で論じることもできるが，これは別に論じる。 重要点 　２　犯罪の流れ 　　　　犯罪は，具体的な事実である。例えば次のような経過をたどる。 ①AがBを殺そうと自宅で決意した。 ②Aは，Bを殺す計画（爆殺）を立案した。 ③Aは，時限発火装置の政策マニュアル，火薬等を入手した。 ④Aは，時限爆弾を製作した。 ⑤Aは，Bの行動を知るため，一週間にわたりBの行動を観察した。 ⑥Aは，Bの自動車に時限爆弾を仕掛けた。 ⑦Bは，Aの仕掛けた時限爆弾によって，重傷を負い入院した。 ⑧Aは，１ヶ月後警察にB殺人未遂容疑で逮捕された。 ⑨Aは，その後，殺人未遂罪で起訴された。 ⑩Aは，起訴から2ヶ月後，有罪判決（殺人未遂）を受けた。 ?Aに対する判決が確定した。 ?Bは，判決確定から一ヶ月後，傷が原因となって死亡した。 ?Bの妻Cは，Bの死亡を悲しみ自殺した。 　　　　日常，我々は犯罪と呼ぶとき一体どこからどこまでをいうのだろうか。決意した①が犯罪の第一歩であるが，計画を立てたときから犯罪か。犯罪行為とはどれを指すのか。②?③?④?⑤なども犯罪か。 　　　　また，逮捕されれ，裁判が終わればすべて終了するかのように思うが，?のように判決後に結果が生じることもある。ここまで犯罪なのだろうか。一体どこで犯罪が終了するのか。犯罪結果とは一体どれを指すのか。Bの負傷をいうのか。Bの死亡をいうのか。Cの自殺は犯罪結果ではないのか。 　　　　構成要件論では，どれが，犯罪「行為」なのか，どれが犯罪「結果」なのか，そして，果たして本当に，行為と結果に因果関係があるのか，などをどうやって見極めるのかを考える。　　　 第２　構成要件総論（大谷107頁，前田90頁） 　１　構成要件の意義 ①　犯罪の類型化とは 　　　　法律がある事実を犯罪として規定するためには，当該事実を事細かに具体的に規定することは不可能であるし，また妥当でもない。 例えば，現実世界で起きる犯罪とは，平成１９年１月１日午後3時頃，小泉純三郎が，安倍晋一のから財布を盗んだ，というように，誰が，何時，どこで，何を，どのように，した，というように具体的な事実であるが，法律を「小泉純三郎が，安倍晋一のから財布を盗んだときは懲役10年以下に処する。」というように具体的に規定することは不可能であるし妥当でない（憲法違反でもある）。 　　　　そこで，国家は，国家が犯罪として規定すべきであると考える，特定の利益を侵害し，社会共同生活を侵害する違法行為を「抽象化」して，そこに存在する共通の要素を抽出することにより，個々の犯罪を類型として規定することになるのである。 ② 構成要件は犯罪を類型化したものである。 　　　　国家は，当罰的な行為の中から一定の政策的判断によって刑罰の対象にすべき行為を取捨選択した上で，これら可罰的