文学研究科-京都大学.PDF

京都大学文学研究科 ２．文学研究科 Ⅰ 文学研究科の教育目的と特徴 ・・・・・２－２ Ⅱ 「教育の水準」の分析・判定 ・・・・・２－３ 分析項目Ⅰ 教育活動の状況 ・・・・・２－３ 分析項目Ⅱ 教育成果の状況 ・・・・・２－６ Ⅲ 「質の向上度」の分析 ・・・・・・・・２－12 －2-1 － 京都大学文学研究科 Ⅰ 文学研究科の教育目的と特徴 本研究科の教育目的は、思想・言語・文学・歴史・行動・現代文化の分野の教育を通じ て、自立的な問題発見能力、問題解決能力、成果の検証と表現を行う能力、学際的な俯瞰 力、世界の民族・言語文化の多様性を前提とした平和と共存に貢献しうる能力を有する、 主体的に研究を推進することのできる専門的研究者と高度な専門性を必要とする専門職業 人を育成することにある（別添資料１・２・３）。それぞれの専修における教育においては、 「対話を根幹とした自学自習」という京都大学の教育理念を尊重し、少人数による参加型 の演習、実習、野外実習などを重視し、原典や一次資料の高度な分析に基づいてオリジナ リティの高い研究を進めるとともに、研究の成果と学術的意義を適切に把握する能力を育 成する。また専門家としての強い責任感と高い倫理性をもって研究を遂行する能力、研究 成果を世界に向けて積極的に発信するとともに国際的な連携のもとで研究を推進する能力 も培う。以上の人材育成方針により、学生は自らが専門的研究の一翼を担おうという使命 感を持ち、人文学のそれぞれの分野で卓越した知を創出できるようになる。 なお、毎年の修士課程入学者のおよそ半数は他大学出身者であり、そのうち 10～20 名程 度は外国の大学の出身者である（別添資料４）。多様な背景を持つ学生が確保されているこ の状況は、世界の多様性を認識し、将来国際的な場でも活動しようという意欲が学生に与 えられる点で望ましいと考えられる。 [想定する関係者とその期待] 関係者としては、在学生、修了生、および就職先の研究機関、企業･官公庁関係者が想定 される。関係者に共通する期待は、人文学における高度に専門的な知識と能力、および主 体的に問題を発見し、解決する能力だと考えられる。特に就職先の研究機関からは、学際 的・国際的なレベルでの知識と能力が、博士課程修了者に求められている。 －2-2 － 京都大学文学研究科 Ⅱ 「教育の水準」の分析・判定 分析項目Ⅰ 教育活動の状況 観点 教育実施体制 (観点に係る状況) 本研究科は、文献文化学、思想文化学、歴史文化学、行動文化学、現代文化学という５ つの基幹的専攻に加えて、客員講座である総合文化学（外国人客員教授２名、国内客員教 授・准教授４名）および人文科学研究所の教員からなる協力講座である多元統合的人文学 によって構成されている。専攻に属する専修の合計数は 32であり、研究科全体として多様 性に富む教育が実施されている。平成 22年以前は上記の各専攻ごとに置かれた協力講座に 人文科学研究所教員 17 名が加わっていたが、平成 23 年度以降は一元化された多元統合人 文学という新しい協力講座を設置し、研究科の授業を担当するすべての人文科学研究所教 員が配置されるようになった（平成 27 年度は 26 名）。この教員組織編成の変更によって、 大学院の授業科目の増加だけでなく、博士論文の審査など研究科の教育により多くの人文 科学研究所教員が参画できるようになった。また専門分野を横断するかたちで情報助教１ 名が配置され、適切なネットワークの管理運営にあたっている。さらに平成 24 年度には、 留学生をサポートするために留学生担当講師１名を採用した。研究科における教育