交通工学

第 章 4 交通工学 大口  敬 (東京大学生産技術研究所 教授)  交通工学は,内燃機関大衆車が普及した20世紀初頭に興り,第2次世界大 戦以降の世界的なモータリゼーションの進展に伴い発展した。その伝統的な範 疇は,交通混雑,交通安全,交通公害(環境負荷)といった道路上の自動車 交通による負の影響を軽減するために必要な科学・技術分野である。本章では, こうした自動車交通流の科学とこれに基づく交通技術を概観する。 4.1 交通流の基礎  道路上の自動車交通の流れを理解するためには,以下の交通量,交通密度, および(交通)速度という基礎的な変数を用いる。  1時間あるいはそれよりも短い時間を集計単位として,ある地点を通過した車両 数,あるいはこれを単位時間当たりの車両数に換算したものを交通流率[台/時]と 呼ぶが,一般に交通量とも呼ぶ。交通量はある地点の通過台数に過ぎず,その 地点が交通渋滞(4.2節参照)状態でないならば,交通量はその地点の交通需 要を意味するが,交通渋滞状態にある場合は,交通量はその交通渋滞の原因と なる

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