十二指肠球部多发阴影欠损について.PDF

十二指腸球部多発陰影欠損について 岡山大学医学部放射線医学教室(主任:山本道夫教授) 森 野 靖 雄 ・竹 田芳 弘 ・森 本 節 夫 三 宅 正 淑 ・林 英 博 ・江 添 弘 木 本 真 ・上 者 郁 夫 ・橋 本 啓 二 青 野 要 同第II内科学教室(主任:木村郁郎教授) 林 恭 一 ・高 岡 和 子 三菱水島病院内科 大 島 由 起 子 (昭和56年5月18日 受稿) Keywords:Duodenalbulb,multiplepolypoidnodules, 現病歴 お よび経過:約3ヶ 月前 よ り食事 中心 は じ め に 窩部痛 あ り,腹部膨満感 しだいに増強 し近 医受 十二指腸球部 は潰瘍性病変 を除いては,比 較 診,肝 脾腫お よび貧血 を指摘 され,入 院後骨髄 的病変 の少 ない部位 であるため,偶 発 的に発見 生検 を受 けた.こ の結果悪性 リンパ腫 を強 く疑 され る隆起性病変 に対 して も質的診断はなお不 がわれ,当 院第II内科へ紹介 された.こ の間5 充分 であった と考 え られ る. kgの体重減少,盗 汗,38～39℃の原因不 明の発 良性悪性病変 を含 めて,現 在 までの報告 は大 熱があった. 部分孤立性 隆起性病変 についてであ り,多発性 入院時,両 側顎下,頸 部,腋 窩,鼠 径部 の多発 隆起性病変 の報告 はきわめて少 ない. リンパ節腫大 あ り.大 き さは示指頭大 までで大 今 回我々は十二指腸球部 に興 味ある多発性 隆 部分 は大豆大であった.肝3横 指,脾4横 指 の 起性病変 を呈 した2症 例 を経験 したの で,若 干 腫大 あ り. の文献的考察 を加 えて報告す る. 頸部 リンパ節生検 でmalignantlymphoma, いずれ も十二指腸球部 に限局 した病変であ り, diffuse,poorly-differenciatedlymphocytic 1例は悪性 リンパ腫 の部分症 として発見 された typeと診 断 された.骨 髄生検 陽性,肝 脾scin もので,他 の1例 は免疫不全症 を有 しない無症 tigram,CTscanで肝脾腫お よび後腹膜Ilンパ 状のnodularlymphoidhyperplasiaの症例 であ 節の塊状腫大,骨scintigramで肋骨,大 腿 骨 る. の多発異常集積 あ り,StageIVと診 断 された. リンパ節生検後 ただちに化学療法が開始 され 症 例 約3ヶ 月後,肝 脾腫消失,末 梢 リンパ節 の腫大 患〔者1〕42才.女 性.主 婦 も消失 した.貧 血 ・全身状態 も著 明に改善 され 主訴:腹 部膨満感. 現在外来 コン トロール 中である.