卓话藏本顺子氏-JOIN广岛.DOC

例会卓話　２００８年９月２２日 「映画　侠客伝」～こういう映画人になりたい～ 　講　師：蔵本　順子氏（サロンシネマ?シネツイン代表取締役） 　自己紹介：広島市出身 現在市内４館の映画経営をし、主にアート系と呼ばれる芸術性?文化性の高い作品から、全国一斉ロードショウの作品を上映している。生まれた所が映画館であった。皆さんからお金を頂いて自分は毎日映画を見ている。 趣味：日本舞踊　名取り。 「靖国」について 一大事件であった。上映したことで、広島の靖国の母と言われている。とても興味深い内容であった。事件の発端は、昨年の暮に起きた。政府から助成金が出されている。反日映画に助成金が出ていることについて、国会議員が騒いだことにある。全国の映画館が公開すると決定していて、途中で降りたところが多くあった。思想的なこだわりは何もない。上映することを発表すると、取材が増えた。ＮＨＫからも取材を受けた。靖国は、中国人の監督である。地味なドキュメンタリー映画である。小さな配給会社でフィルムを５?６本しか焼いていない。５月２７日から７週間上映した。マスコミで取り上げられて話題にもなり、宣伝費をかけなかったが、上半期のベスト１となった。この上映期間中、連絡もしないのに、公安や警察関係の人たちがたくさん来られ、お付き合いが出来た。公開予定をしていて、取り止めた映画館は、騒動を危惧してということや、採算が合わないということである。大ヒット映画は全国全館で上映している。映画館は一人でもリクエストがあれば、上映する責務があると思っている。使命であると思う。話題作であれば、広島でいち早く放映したい。 広島は全国で３番目（東京?大阪）に上映した。珍事件として話題作であった。 「日本映画」について 　今、日本映画がたくさん製作されている。１５?６年前韓国映画を入れていた。北朝鮮の映画も上映したことがある。韓国映画に火が付いたのは、「冬のソナタ」からである。ぺ?ヨンジュンの影響はとても大である。「スキャンダル」は年配の女性の方が22日間毎日来られた。この映画を見続け、更年期障害を乗り越えられたとのことであった。韓国ドラマは、日本の映画?ドラマを知り尽くしている。ラブストーリーを中心に女性ファンが多い。 韓国映画がヒットしすぎて、買付けが数千万円から数億円（3～５億円）になった。数億円も出すくらいなら、日本映画を作った方がよいということになり、たくさんの日本映画が作られ出した。 　日本映画が量産されるなかで、製作委員会が「デザート?ムービー」といっているものがある。食べやすくて、後に何も残らないものである。日本の漫画のヒットを映画化している。ヒットするが良質の映画とは限らない。 本館では、野球で言うと、ドラフト外の作品の上映をやっている。お金にならない中で、時々サプライズヒットする。現在、韓国?ハリウッド映画はヒットしていないが高騰している。自国の映画を見るのが一番マッチしている。 60年代のような大監督がいない。テレビから出ている監督が映画を作るので アップが多い。大量生産?大量消費の時代で、一作一作の程度が悪くなる。昔 の良質の映画をやっていない。オリンピックイヤーに関連して、旧作品の市川 昆監督の「東京オリンピック」を上映したが、人が入らない。旧作品を上映するには、勇気がいる。今年は渥美清の「男はつらいよ」シリーズを計画している。広島市は古い作品は、映像ライブラリーで４００円で見られる。 　映画館は現在増えている。一番映画館が多かったのは、昭和３５年で全国 ７５００館。観客が一番多かったのは、昭和３３年である。 今映画館は、一館とは言わない。ワンスクリーンと言う。現在全国に３５００ のスクリーンがある。本館のようなタイプの映画館は全国に７０館なく、毎日 潰れている。市内４館の従業員は20人である。何故潰れないのかと尋ねられる。 建物は家賃を払ってやっている。従業員一同一生懸命やり、映画を心から敬愛するスタッフである。映画館の上映監督と思っている。試写を毎日9:30からやり、新しい映画導入にあたっている。いろんなジャンルの映画をしている。 ３６５日５２週の作品を決めなくてはいけない。昨年は２８０本２７カ国の映画を上映した。映画の専門店である。今日映画館が心部から周囲に広がっている。映画館は広島の文化に刺激を与えるものと思っている。メジャーの作品からマイナーの作品までやっている。商売としてより、映画が好きな人のため、映画ファンのために、良心的な映画館でありたいと思っている。最後の砦を守りぬく気概でやっている。 商業ペースに合わない作品も手掛けて、少しでも広島の文化に刺激を与えられたらと、熱き思いを込めて語られました。