林公义伊藤孝岩崎洋林弘章萩原清司足立行彦.PDFVIP

神奈川自然誌資料 (13):17～27,Mar.1992 伊豆半島須崎、田ノ浦湾周辺海域の魚類（追補〉 林 公義・ 伊藤 孝・岩崎 洋・林 弘章 萩原清司・足立行彦・長谷川孝一・木村喜芳 MasayoshiHAyASHI,TakashiITO,HiroshiIwASAKI,HiroakiHAYASHI, KiyoshiHAGIWARA,YukihikoADACHI,KouichiHASEGAWA,and KiyoshiKIMURA:AdditionalReportofFishesfromtheCoastal Water ofTanouraBay,Shimoda,IzuPeninsula. てあるので本報では省略した。調査は湾口から湾奥部 はじめに までを中心に行い，干潮時にはタイドプーノレや潮間帯 相模湾海洋生物研究会では，相模湾の魚類相を明ら 転石下などでも行った。また生活史の一時期を回ノ浦 かにする目的で，沿岸域の数地点を継年調査してい 湾で過ごす両側回遊性の淡水魚もいるので，湾奥に流 る。相模湾の西南端に位置する伊豆半島下回市の須崎 入する河口水域も調査対象地点とした。調査は著者ら 半島周辺海域は，黒潮沿岸流の影響をうけ，地形的な が主に行い，種の同定は，林（公〕 ・伊藤 ・萩原 ・林 環境も複雑であることから，本州中部沿岸域に代表さ 弘〔〉が行った。 れる暖海域の生物相が見られる場所である。本研究会 結果 では須崎半島の回ノ浦湾を中心に，1986年から浅海性 魚類の生態観察を継続してきた。同海域の魚類相につ 回ノ浦湾産魚類目録 ・追補1988（ 年9月～1990年11月〉 いては， 1986年10月～1988年8月までの調査結果を基 目録で使用した種番号〔226.～292.）は， 前報 （東 に75科225種（ヨシノボリの生態型3型を含める）を ほか， 1989）で記録 した最後の種番号（225.）から追 記録しあわせて出現魚種の田ノ浦湾における生活型 録した。採集標本で同定の済んだ種については横須賀 を報告した〈東ほか，1989）。本報では， その後の調 市自然博物館魚類資料として登録 したので，和名 ・種 査による出現魚種や前報中では目視記録種であったも 名 ・登録番号YCMP ・（偲体数，体長範凶，＊印は全長〉 のを採集し， 再：同定 した結果などを追録する。なお追 ・採集日の慣に記した。種のl 配列と記載（計測昔日位と 加記録種のなかには未記載種や日本初記録径が含まれ 方法〉については，益田ほか（1984）に従った。分布 ており，詳細な記載は別報に譲ることとして本報で和 域については原則として園内での記録を示した。 名新称をあたえたものが3種ふくまれる。 ウミヘヒ科 Ophichtidae 226. ウミヘビ亜科の葉形稚、魚 Ophichthinaesp. 調査方法 YCM-P18816(2，キ84.1-86.7)1988.12.18. 本報の調査期聞は， 1988年9月から1990年11月まで 標本個体（図 1-1）は葉形稚魚で，第2番目の消化 とした。観察時聞は連続日で月 1回，平均6～8時間 管膨出部が最も大きい，尾部正中線下方の大型黒色素 行った。観察と採集法はおもにスキン ・ダイビングで 胞は