呼吸器核医学検査-北海道大学.PDF

統合呼吸器講義 2007年4月19 日 呼吸器核医学検査 北海道大学大学院医学研究科 核医学 玉木 長良 呼吸器核医学検査、講義概要 • 核医学検査の特徴 • 呼吸器核医学検査法 • 臨床応用 – 気道系障害 – 循環障害（肺塞栓症） – 肺癌の診断、評価 核医学検査とは 放射性同位元素を体内に投与し、臓器の機能 をインビボで映像化する。 → 疾患の診断に応用（全身検索） → 主要臓器の機能診断（重症度、治療効果判定） ラジオアイソトープとは ラジオアイソトープ （放射性同位元素） 陽子の数(Z)は同じで化 学的性質は同じでも、中 性子の数(N)が異なる同 位体の中でも、不安定で、 核から放射線を放出する ものをさす。 Z: 陽子数（原子番号） N: 中性子数 質量数 = Z+N 核医学画像のできるまで ① 放射性医薬品の製造・品質管理 ② 放射性医薬品の投与 カメラによる撮影 採血・放射能測定 ③ データ処理・解析 医師による読影 呼吸器核医学に用いる放射性医薬品 • 換気 – 133Xe （キセノン）：ガス（半減期5.3 日） 81m – Kr （クリプトン） ：ガス（半減期13秒） • 血流 – 99mTc-MAA （大凝集アルブミン）：10-30 μの粒子 10-50万個 肺毛細血管(1/500～1/1000)に塞栓 • エアロゾール吸入 – 99mTc-ヒト血清アルブミン, 99mTc-スズコロイドなど ネブライザーで小粒子化（１μ程度） – 99mTc-ガス（専用発生装置で2000度で超微粒子化） (0.08-0.2 μ） Xe-133ガス換気検査法 算出される指標 . 一回換気量分布（V) 全肺容量分布（V) _ 洗い出し時間 (MTT; t) 一回換気検査（吸入相） 反復呼吸検査（平衡相） 洗い出し検査（洗い出し相） 健常例の換気血流機能図（座位） 一回換気分布 肺容量分布 血流分布 換気率 肺血流シンチグラフィ（正常例） 肺換気シンチグラフィ（正常例） Kr-81m Tc-99m エアロゾール 気道系の障害の診断 • 原因 – 慢性閉塞性肺疾患、気道閉塞 （腫瘍、異物、喀痰） 他 • シンチグラム所見 – 換気と血流の両者の低下（肺塞栓症との鑑別） – 非区域性、末梢性の低下 – 胸部X線写真に一致した異常