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論文完成稿
論文提出日:2008年12月12日
論文テーマ:和服から見た日本人の民族性
氏名:黄粉蓮
はじめに
本稿の主題は和服と日本人の民族性である。両者とも日本の文化範疇のものであるから、きっと何か天然的な関連があることではないかなという疑問を持って本稿を書くことにした。
言い換えれば、本稿の目的は和服の魅力を探り、その中で日本人が和服に特別な愛着を持っている理由を模索してから、そのことと日本人の民族性との関連を明らかにすることである。簡単に言うなら、和服と日本人の民族性がどのような関連を持っているかを探ることである。
まず、いろいろな側面から和服に関する内容を述べて、ずっと「和服」という服装群の中に隠れていた和服の魅力を掘り出して、日本人がなぜ和服に特別な愛着を持っているかを明らかにしたいと考える。次に、日本人の民族性について討論する。最後に、上述した両者の関連を明らかにしたいと考える。
和服の魅力
所謂、魅力というのは、人の心を引き付ける力とのことだ。魅力は外見にあるものではなく、私たちがある実物に関していろいろな側面から研究して掘り出さなければならない抽象的な存在である。そう言えば、魅力の中にはきっと何か外の内容も含まれているはずである。本章で私はそんな疑問を持って一応和服の魅力を掘り出してみるつもりだ。
まず、和服(わふく)とは、日本における民族服である。狭義の着物(きもの)である。男子の基本はツーピース型、女子はワンピース型である。
和服は着付けが大変で、高価であり、また現代の日本人の生活様式からすると必ずしも実用的とは言えない。でも、日本人が和服にずいぶん特別な愛着を持っているのは、日本の伝統の節目の時に日本人がそれらの場合にふさわしい和服を着ている姿がよく見られることからすぐ分かる。
(一)和服の由来と発展史
和服の由来についていろいろと論説がたくさんあるけど私は一番納得できる説は、和服の由来は中国三国時代の呉の国から日本に伝わった織り方によって作られた織物とされるという説だと考える。ちょうどそれが和服が「呉服」と言われる由縁でもあるので。
また、
和服の発展史を「和風論壇」の
「深入日本和服」を参考に次のようにまとめてみた。和服の発展史は時代別に八つの段階に分けることができる。
その八つの段階を要約すると次のようになる。
1、縄文時代?弥生時代
この時代はワンピース形式である。縄文時代の貝塚から貫頭衣を着た埴輪が出土している。魏志倭人伝には男子は横布を袈裟(けさ)のようにした上で頭に布を巻いた、裸に近い格好であり、女子は布の真中に穴をあけ、腰部分を紐で結んだ貫頭衣を着ていたとある。庶民は麻、身分の高い人は絹を着ていた。
2、古墳時代
大陸の影響により、ツーピーススタイルになった。この時代の埴輪では上着としての貫頭衣と、腰巻きに巻く裳、もしくはズボンを太くしたような袴が使われていた。このころの貫頭衣は着易いように胸前が割れてあわせが作られ、脇下を縫うことで袖ができた。上着が詰襟型の「あげくび」と胸前であわせる「たれくび」とに分かれたのはこの頃である。
3、奈良時代
聖徳太子が冠位十二階により位階で冠の色を分け、大宝律令の衣服令により朝廷で着る服が定義され、礼服、朝服、制服が定められた。文官の礼服はわきの下を縫った縫腋の袍を、武官は腋の下を縫わない闕腋の袍を着るようにとされた。
この時代の服飾は、中国の文化が輸入されたこともあって隋風のものであった。そのため、この時代まであわせは男女とも左前であ
ったが、719年からは「初令天下百姓右襟」により、右前にすることと決まった。
4、平安時代
菅原道真により遣唐使が廃されると、国風文化が盛んになった。儀式行事が定着したことで、装いも形式的になった。それは衣服の殆どがゆとりを持て余しがちになり、なかんずく武官の衣装が実用性から遠ざかっていったことからも伺える。この頃のポイントである男子衣装には、公式の場で使われる束帯、少し軽くした衣冠、私的な場で使われる直衣、平民が着ていた水干、狩衣などがあった。武家の台頭により公家は政治の世界から離れ、服飾も公家のものから武士のものへと変わった。
5、鎌倉?室町時代
政権を武家が担うことにより、彼らが着ていた水干から直垂ができ、進んで室町時代に入ると直垂は武家の第一正装となった。新しく大紋、素襖が出現したのもこの時期である。
女子服飾も簡易化の一途をたどった。裳は徐々に短くなり袴へと転化、やがてワンピース型が無くなった。この後は小袖の上に腰巻き、湯巻きをまとう形になった。
6、江戸時代
町人文化として小袖が大流行した。歌舞伎や芝居の錦絵や浮世絵で役者の服飾が紹介されると、町人の装いは更に絢爛豪華なものとなった。女子服飾は長い
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