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【調査報告】 インドネシア国バンドン市の衛生環境改善に向けたナレッジハブの構築 in Bandung City, Indonesia 小林 剛、松田 圭二、太田 進、三本木 徹 * * ** *** Go KOBAYASHI ,Keiji MATSUDA,Susumu OTA,Toru SANBONGI 【要約】インドネシア国バンドン市の衛生環境改善の促進を目指して、インドネシアの有識者等との交流の機会を設 け、情報の交換・蓄積・普及を行うナレッジハブの構築に向けた活動を実施した。 その結果、日本とインドネシア双方にタスクチームが設立され、情報交換の場が確保された。これにより重要な情報 の蓄積・共有を図ることが可能となり、バンドン市の状況や解決すべき課題、適用可能な技術・システムの方向性に ついての認識が共有化された。 キーワード：国際協力、インドネシア、衛生環境改善、汚水処理、ナレッジハブ 1.はじめに このことから、インドネシアの衛生改善に向け て、地域に適合可能な汚水処理システムの開発と 東南アジアの大都市においては、経済の目覚し 普及に取り組む必要がある。地域の状況に合わせ い発展に伴い、水質汚濁が進み、生活環境の悪化 た汚水処理モデルとしては、低イニシャルコスト、 が著しい状況にある。途上国においては、国や地 省電力、メンテナンスの容易性等を重視すること、 方自治体の財政力や住民個人の負担力が十分でな また、システム継続性の観点から、計画・工事・ いこと、個人の衛生意識が必ずしも高くないこと、 運転管理の各段階において住民参加型の事業展開 また、各地域での歴史と文化を踏まえた対策が求 を図る必要があると考えられる。 められることなどから、わが国で成功したシステ 本調査は、東南アジアの大都市におけるこれま ムを直接導入することは難しい。 での対応事例を踏まえ、地元大学等の協力の下に、 インドネシアでは、近年の経済成長にインフラ インドネシア国バンドン市における生活排水処理 整備が追い付いていない状況にある。下水道の普 システムの問題点を解明し、地域活動等の住民参 及率も低く、し尿や生活雑排水が未処理の状態で 加による、地域の実情に応じた汚水処理のモデル 河川等に排出されている地域も見られる。これま を構築することにより、東南アジアの大都市にお で、日本から合併浄化槽の技術移転等、様々なア ける衛生改善に貢献しようとするものである。 プローチがなされているが、稼動に要する電力や ここでは、当センター研究奨励金制度（平成23・ メンテナンス等の問題から、広く普及するには至 24年度）及び独立行政法人環境再生保全機構地球 っていない。 環境基金（平成24年度）の助成を受けて実施され た活動について報告する。 *一般財団法人日本環境衛生センター 東日本支局環 2.調査方法 境工学部 Dept. of Environmental Engineering, East Branch, JESC 本調査は、日本・インドネシア両国の有識者等 **一般財団法人日本環境衛生センター 総局企画部 の協力の下で、次の手順により行った。 Dept. of Planning,