子どもの身体感覚を生かした鑑賞活動についての考察.PDFVIP

子どもの身体感覚を生かした鑑賞活動についての考察 A StudyofTheViewingActivitywiththeuseof sornesthesia. 山田芳明 Yoshia主iYAMADA 実技教育研究指導センター まesearchandTrainingCenterforPracticalSkills. キーワード:身体感覚，鑑賞，美術教育，ワークショップ，美術館 Keywords:somesthesia，ViewingArtEducation，Workshop，ArtMuseum 場合，子どもの作品を見ることではなく，著名な作家作 1.，まじゐに 品を見て，その文化史的な背景や，作家自身の表現の意 平成10年iこ公示された学習指導要領の内容は，r表現」 図，さらに作品の見方を教師が解説するというような盤 jの二領域で構或されているO 詳しくは「表現j 賞学習も少なくないであろうO 「鑑賞 領域は二つの内容が示されており それらを加味したと これら，いずれの場合にも，その方法は異なるにせよ， して3つの内容によって構成されているとも考えられ 鑑賞を面倒で難しいものとして扱っているのではないだ るO 昭和43年版学習詣導要領では，絵，影塑，デザイン， ろうか。 工作，鑑賓というそれぞれ独立した5つの領域として設 このような鑑賞の扱われ方がなされる要匿のーっとし 定されていた。この持期と比較するならば「表現jの二 て， r鑑賞jの学習ということに対する教師の考え方が つの内容を別々のものとしてとらえたとしても，r鑑賞j 一面的だ、からではないだろうか。 が，小学校の国画工作科の中で位霞づけが重要になって たとえば，それは f美術作品を見ることj といった漠 いることが想f象できるであろうO 然としたものでしかないのかもしれないし， r美術作品 しかし，実際の菌画工作科の持関における「鑑賞j扱 のよさを感じ取る』といった抽象的なことばで括られて いは，このような大きな二つの柱として，表現と同様の いるのかもしれない。このように，長く教育現場では『鑑 重みをもった扱いがなされているのであろうか。 賞』という問題を深く掘り下げて論じられることは非常 この点については大いに疑問をおぼえる教員が多いの に隈られてきていたのであるo ではないだろうか。表現と鑑賞は表裏一体であるとされ 本論では，こうした鑑賞に対する状況の中で，子ども ておち，国画工作科の多くの時間は f表現jにあてられ の本来が持つ好奇心や ものへの接近の仕方というよう ているO もちろん，そのこと自体を否定しないが，その な視点から，鑑賞学習のおり方のとらえ直しを試みるも ことが原菌で「鑑賞jそのもののとらえ方に大きな問題 であるO そしてなにかしら特加で，扱いづらく， 00慢な が生じているので;まないだろうか。 ものとして棚上げされ続けてきた「盤賞」についての教 たとえぜ， r鑑賞Jということが高尚な行為であり， 育現場のとらえに対して 身体活動という加の角度から 有名な作家の作品を見て楽しむ特別なことのようなとら の接近を試みたい。 え方が根底にあって，その考え方がそのまま小学校の教 2園子どもにとっての見る行