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中国下水汚泥への新型回転加圧脱水機の適用 巴工業株式会社 平松 達生 要旨 中国においても高性能で維持管理性の容易な汚泥脱水機が求められる状況にある。回転加圧脱水機は 脱水性能が高く、電力消費量が低く、維持管理が容易な脱水機として日本国内で多くの納入実績がある が、弊社ではさらにコンパクトで高性能な新型回転加圧脱水機を開発した。本年、この新型回転加圧脱 水機を用いて中国の下水処理場で脱水実験を行った。その結果良好な脱水性能を得ることができた。新 型回転加圧脱水機は今後、中国の下水処理場で広く汚泥脱水機として採用されることが期待される。 １．はじめに 中国における下水処理場の建設は急ピッチで進んでおり、汚泥の発生量もそれに合わせて増加してい る。汚泥の脱水は汚泥処理の中で汚泥の減容化、固形化のために重要な工程であり、それを担う汚泥脱 水機は下水処理場で稼動する重要な機器となる。弊社はこれまで中国の下水処理場に高性能の遠心脱水 機 TECO シリーズを納入し、その有用性は実証されている。遠心脱水機は様々な汚泥性状に対応でき、 また運転管理の容易な脱水機として日本、中国だけでなく世界各国の下水処理場で使用されている。遠 心脱水機の有用性は世界的に確立されたものではあるが、昨今は地球温暖化減少の問題が叫ばれるよう になり、電力消費量の低い脱水機が望まれる場合もある。そのような状況において弊社は金属フィルタ を用いた回転加圧脱水機を開発し、2000年に１号機を日本の下水処理場に納入した。その後、納入台数 を伸ばし現在では 80 台を超えるまでになっている。最近ではよりコンパクトで高効率な新型回転加圧 脱水機を開発し販売を行っている。本年、中国の下水処理場に新型回転加圧脱水機を持ち込み脱水実験 を行ったのでその結果を以下に報告する。 ２．新型回転加圧脱水機の特長 新型回転加圧脱水機の特長は以下のようになる。 ① 特殊な金属フィルタを用いており、脱水性能に優れている。 ② セルフクリーニング効果によりろ過面が再生され、目詰りがない。 ③ 処理量の増加に対応して、チャンネル(ろ室)だけの増設が可能である。 ④ 軽量かつコンパクトである。 回転方向 ⑤ 密閉構造で臭気の漏れがない。 ⑥ 低速回転で振動・騒音が少ない。 ろ液 ⑦ 消費動力が小さい。 ⑧ 運転中の洗浄水が不要である。 ろ液 ⑨ 構造が簡素で保守管理が容易である。 供給口 ⑩ 起動・停止が容易である。 内輪スペーサ 脱水ケーキ フィルタ 図-1 新型回転加圧脱水機の機能図 ３．新型回転加圧脱水機の機構 新型回転加圧脱水機の機構を図―2 に示す。チャンネルは主に 2 枚の金属円盤フィルタ、内輪スペー サ、外輪スペーサ、仕切りスペーサ、スクレーパ、バーチカルリストリクタで構成されている。金属フ ィルタは特殊な製法で製作されたものであり、高い脱水性能確保のために重要な構成要素である。内輪 スペーサを両側から挟みこむように 2枚の金属円盤フィルタが取り付けられ、金属円盤フィルタの外周 に外輪スペーサが取り付けられている。内輪スペーサ、金属円盤フィルタおよび外輪スペーサでろ室を 形成している。